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死刑執行施設
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2020年3月21日 (土)
死刑執行施設は法務省管轄の刑務所・拘置所に設置されている死刑を行うための施設で、執行室前室に祭壇が設置されている。本来、死刑の執行は刑務所で行うべきだが、死刑囚は拘置所に収容されるので拘置所に設置されていることが多い。この祭壇とは別に執行室の近くに教誨室があり、そこにも祭壇がある。
沿革は不詳。日本国憲法下で厳格な政教分離が定められている中、宗教性を公認された官庁内設備として稀有な存在である(他の行政施設内の宗教施設としては、慰霊施設・墓・納骨堂や博物館の仏像、警察署などの神棚などがあるが、行政側は宗教性を認めていないか、公的設備と位置付けていないと思われる)。死刑囚の信教の自由を守るためである。ただし、死を扱う宗教は仏教であるとの社会通念から仏堂が常設されているようであり、2010年(平成22年)に一部の報道企業にのみ公開された東京拘置所の映像によると、来迎印の阿弥陀如来立像が備え付けられて祀られている(「仏壇」は祖霊を祀る祭壇という認識が一般的であり、「仏壇」との呼称が適切かどうか確証が持てない)。死刑囚の信仰に応じて十字架や神棚など他の宗教の祭壇を設けるという。大阪拘置所では仏像と十字架を切り替えできるとも。これらの宗教物の購入・設置・維持が政府予算から支出されているのかどうか、政府の所有物なのかどうかは不明(教誨師が経費を支出し、所有している可能性もある)。