ようこそ『神殿大観』へ。ただいま試験運用中です。 |
鳥海月山両所宮
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2018年5月23日 (水)
鳥海月山両所宮(ちょうかい・がっさん・りょうしょ・ぐう)は、山形県山形市宮町にある、鳥海山信仰・出羽三山信仰の神社。祭神は稲倉魂命・月夜見命(『山形県神社誌』13)。県社。別表神社。
歴史
社伝によると、前九年の役で源頼義・源義家が陸奥平定に向かったとき、吹浦両所宮(鳥海山大物忌神社吹浦里宮)に戦勝を祈願した。1063年(康平6年)、凱旋のときに当地に分霊したという。「吉次の宮」。源義経が社殿等造営。北条氏も庇護した。1591年(天正19年)、山形城主最上義光が最上家の祈願所とし、真言宗成就院を移転させて別当とした。1595年(文禄4年)、1150石を寄進。1600年(慶長5年)に本殿造営。1648年(慶安1年)、幕府より朱印地689石寄進。1800年(寛政12年)に本殿造営。神仏分離により成就院は廃絶した。1873年(明治6年)郷社、1879年(明治12年)に県社となった。1961年(昭和36年)7月1日、別表神社となった。
本殿は、右宮鳥海神社本殿と左宮月山神社から構成されている。右宮本殿は、1800年(寛政12年)の造営で、左宮本殿は1801年(享和1年)の造営である(山形市指定有形文化財「鳥海月山両所宮本殿」)。かつては本殿と同列に摂社城輪神社が祀られていた。城輪神社は、城輪柵の鎮守の出羽国二宮の城輪神社(県社)よりの分霊だろうか。1926年(昭和1年)、城輪神社は本社拝殿造営のため、現在地に遷座した。城輪神社社殿は桃山時代の造営という。また伊勢神宮第60回式年遷宮(1973年(昭和48年)正遷宮)による古材により、末社の若宮八幡神社、愛宕神社、熊野神社が造営された。(『山形県神社誌』ほか)