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パチャカマ神殿
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2016年9月16日 (金)
パチャカマ神殿は、古代アンデスのパチャカマ(現ペルー領リマ郡)にあった神殿。パチャカマはインカ以前からスペイン侵略まで栄えた神殿都市。「パチャカマ」とは「天地の創造者」を意味する。インカ帝国時代にも各地から人々が訪れた巡礼地だった。神殿はピラミッドの上にあり、金銀の像があった。インカ帝国は従来の信仰はそのまま認めたが、インカの太陽の神殿と月の神殿を造った。1533年、スペイン人が金銀を奪い、火を放ち廃墟となった。
「おそらく、紀元一千年以前より、ここにひとつの神殿が建てられ、ある地方神が信仰されていたものらしい。神体は魚だったと推定される。それがどのような名で呼ばれていたかは伝わっていない。この信仰は、神託と結びついていたので、たちまち海岸地方全体にひろがり、遠くから貢ものを持ってくる多くの巡礼者を集めていたらしい」(『インカ帝国探検記』150頁)。『インカ帝国探検記』151頁にパチャカマ遺跡の地図。
参考文献
- 泉靖一『インカ帝国』
- 増田義郎1975『インカ帝国探検記』中公文庫