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伊勢神宮御料地

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2022年10月13日 (木)

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伊勢神宮関連旧跡 

目次

概要

御杣山などは伊勢神宮式年遷宮関連旧跡を参照。

系譜

神饌調進関係

全域

伊勢周辺

種類 御料地/関連神社祭場 所在地 種別
神田 楠部神田(神宮神田三重県伊勢市楠部町 神宮施設 楠部にある神宮の神田。現在は「神宮神田」と称す。
神田  楠部神田 神田祭場 三重県伊勢市楠部町 神宮祭場 楠部神田の祭場。
神田  楠部神田 忌鍬山木本祭場 三重県伊勢市楠部町 神宮祭場 神田下種祭の祭場。
神田  楠部神田 忌鍬山山口祭場 三重県伊勢市楠部町 神宮祭場 神田下種祭の祭場。
神田  大土御祖神社 三重県伊勢市楠部町尾崎2132 皇大神宮摂社 「大国玉命、水佐佐良比古命、水佐佐良比賣命」を祀る。神田所在地と水の守護神。御田植神事のときには舞が奉納される。
神田  宇治乃奴鬼神社 三重県伊勢市楠部町尾崎2132 皇大神宮末社 「高水上命」を祀る。灌漑用水の神。大土御祖神社に同座。
神田  宇治乃奴鬼神社旧跡(皇女の森三重県伊勢市楠部町 跡地 宇治乃奴鬼神社の旧鎮座地。
神田 田辺神田 三重県度会郡玉城町上田辺 跡地 「田上神田」も同じか。廃絶。周辺は荒木田氏の根拠地で、田んぼを開墾したことから、荒木田氏の名を賜った。
神田  坂手国生神社 三重県度会郡玉城町上田辺2144 皇大神宮摂社 「高水上神」を祀る。灌漑用水の神。
神田 豊宮崎神田 三重県伊勢市岡本 跡地 「豊宮崎神田」。「大御田」「精進田」ともいう。起源は不詳だが、ながらく外宮の中心的な神田であった。1871年(明治4年)11月、上地となり一時廃絶。1889年(明治22年)、岡本町・豊川町・八日市場町に田地を購入し、復興した。八日市場町の田地は1921年(大正10年)に山田工作場の敷地となった。岡本町・豊川町の田地は、戦後廃止。宅地化の波に押されたのであろうか。(神宮要略、『お伊勢まいり』)
神田  伊我理神社 三重県伊勢市岡本町 豊受大神宮末社 「伊我利比女命」を祀る。神田に関わる神。豊宮崎神田での神事を伊我理神事といった。
神田  井中神社 三重県伊勢市岡本町 豊受大神宮末社 「井中神」を祀る。神田の井泉の神。伊我理神社に同座。
神田  山末神社 三重県伊勢市豊川町 豊受大神宮末社 「大山津姫命」を祀る。御田口の泉の神。
神田 磯部御料田 三重県志摩市磯部町上之郷 神宮施設 伊雑宮の近くにある。毎年6月24日に御田植神事が行われ、「磯部の御神田」と呼ばれている。磯部9村が輪番で奉仕する。
神田  佐美長神社 三重県志摩市磯部町恵利原 別宮所管社 「大歳神」を祀る。大歳社とも穂落社ともいう。大歳神が真名鶴と化して、稲穂を加えて飛んできて、穂を落とし、御料田を含む「磯部の千田」の起源となったとされる。「昔真名鶴磯部の千田に稲穂落としたそのまつり」という歌が「磯部の御神田」に伝わっている。伊雑宮所管社の佐美長御前神社4社がある。
御稲御倉 内宮 神宮施設 四御倉の一で、唯一現存する。御常供田の稲を収蔵する。御稲奉下の行事を行う。寛正年間から織御衣を織るようになり、御機殿とも呼ばれた。明治以後、御稲御倉神が祀られて、所管社となった。(神宮要綱)
 御稲御倉神 内宮 皇大神宮所管社 「御稲御倉神」を祀る。御稲御倉の鎮守。
御酒殿 内宮 神宮施設 御酒殿院の主殿。神酒を醸造するところ。中世、廃絶し、慶安年間に復興。神官のみの直会はここで行われたという。(神宮要綱)
 御酒殿神 内宮 皇大神宮所管社 「御酒殿神」を祀る。御酒殿の鎮守。
御酒殿 外宮 神宮施設 忌火屋殿の奥にある。現在は、白酒、黒酒、醴酒、清酒を忌火屋殿で造り、この殿に奉納し、三節祭に供える。(お伊勢まいり)
 御酒殿神 外宮 豊受大神宮所管社 「御酒殿神」を祀る。御酒殿の鎮守。
白鷹株式会社 兵庫県西宮市鞍掛町4-16 御用達企業 1862年(文久2年)創業。1924年(大正13年)、御料酒となる。本蔵内に注連縄を張られた木造の御料酒庫がある。
伊勢神宮御塩殿 三重県伊勢市二見町荘 神宮施設 御塩殿は神饌に用いられる御塩を調進する施設。五十鈴川の河口付近にある御塩浜で毎年土用に濃い塩水を組む。それを御塩汲入所に汲み入れ、御塩汲入で焼き、荒塩を作る。さらに御塩殿で三角形の土器に詰めて、堅塩を作る。10月5日に御塩殿祭。
伊勢神宮御塩浜 三重県伊勢市二見町西 神宮施設 神饌に用いられる御塩を取るための、五十鈴川の河口付近にある塩田。
 御塩殿神社 三重県伊勢市二見町荘 皇大神宮所管社 御塩殿の鎮守。祭神は「御塩殿鎮守神」。
 堅田神社 三重県伊勢市二見町茶屋 皇大神宮摂社 「佐見都日女命」を祀る。倭姫命に堅塩を奉った神を祀る。
大塩屋塩田 三重県伊勢市大湊町 跡地 神饌に用いられる御塩を取るための、大塩屋御薗にあった塩田。1498年(明応7年)の大地震による津波で流出。
 志宝屋神社 三重県伊勢市大湊町 豊受大神宮末社 「塩土老翁」を祀る。塩業の神。1498年(明応7年)の大地震による津波で流出。1644年(正保1年)に再興。
塩御倉 内宮 跡地 堅塩や土器を収める蔵。「御器御倉」とも。廃絶。
上御井神社 外宮 豊受大神宮所管社 「上御井鎮守神」を祀る。藤岡山の麓にある。井戸は天の忍穂井から移したとされる。神饌の水に用いられる。
下御井神社 外宮 豊受大神宮所管社 「下御井鎮守神」を祀る。井戸は予備の井戸とされる。
海産物 伊勢神宮御料鰒調製所 三重県鳥羽市国崎町 神宮施設 伊勢神宮御料鰒調製所は身取鰒(みとりあわび)や玉貫鰒(たまぬきあわび)を作る施設。生鰒、乾栄螺(ほしさざえ)、ひじき、わかめ、あらめなどの調達も行なっている。祠がある。
海産物  海士潜女神社 三重県鳥羽市国崎町 神社 倭姫命にあわびを献上した海女の「おべん」を祀る神社。
海産物  赤崎神社 三重県鳥羽市鳥羽 豊受大神宮末社 「荒崎姫命」を祀る。海から外宮のに奉納する御贄の守護神。
海産物 伊勢神宮御料干鯛調製所 愛知県知多郡南知多町篠島 神宮施設 御料干鯛調製所は生鯛の内蔵を取って乾燥させた干鯛を作る施設。干鯛は「おんべ鯛」とも呼ばれ、三節祭にて神饌として供される。篠島は伊勢湾の渥美半島と知多半島の中間点に浮かぶ島。古来、伊勢神宮との関係が強い。かつては志摩国答志郡に含まれていたという。
海産物  篠島神明神社 愛知県知多郡南知多町篠島 神社 祭神は「大土御祖神、大年神、宇迎之御魂神」である。篠島神明神社は篠島の中部にあり、倭姫命の旧跡とされ、荒御魂を祭った跡というが、現在は祭神に荒御魂は含まれない。771年(宝亀2年)に土之宮(豊受大神宮の土宮?)を分霊して創建。参詣者は二見ヶ浦から遥拝したという。のち神明社と改称。かつては神宮の1社として式年遷宮にあわせて遷宮を行ったと言われる。現在は独立した神社で、内宮の宝殿を下賜されて遷宮としている。(ウェブサイト)
海産物  篠島八王子社 愛知県知多郡南知多町篠島 神社 1288年(正応1年)、伊勢国度会郡の箕輪神社(箕曲中松原神社のことか)から分霊して創建。神明神社の古材で遷宮を行なってきた。現在は八王子の神々を祭神とする。
海産物 贄海神事旧跡 三重県伊勢市二見町松下 跡地 毎年6月15日に行われていた贄海神事の旧跡。皇大神宮の禰宜が山向内人等を引き連れて、騎馬にて出発し、鏡宮神社の地から船に乗り、江川を下って、江村湾に出て神崎に上陸。手水を行い、浦々島々の神々を祭り、禊をする。潮が引くのを待って、御饌島(祓島)に渡り、牡蠣7,?7、海松(みる)7を採る。戻って神崎の狩屋で饗膳し、御贄を内宮に持ち帰る。現在、「御坐岩」「笏立石」「まないた石」「祓島」「潜島」などの旧跡がある。潜島は海蝕洞門となっており、毎年旧暦6月1日(大潮の日でないと近づけない)に現在でも地元で注連縄張りを行なっている。
海産物 御贄調舎 内宮 神宮祭場 神饌の鰒を調理し供える殿舎。豊受大神の神座がある。明治以後の設置で、かつては正宮正面の五十鈴川の中洲で行われた。
海産物 浜出神事旧跡 三重県伊勢市二見町今一色 跡地 浜出神事の旧跡。毎年9月13日に外宮の神職により高城浜(今一色海岸)で贄を採る神事が行われていた。
その他 伊勢神宮御園 三重県伊勢市二見町溝口741 神宮施設 1898年(明治31年)開設。諸祭典に用いられる野菜や果物を栽培している。1914年(大正3年)、1935年(昭和10年)に拡張。春分の日に御園祭。(『みもすそ』60号)
その他 神宮御料生姜園 浜松市浜北区西美薗 神宮施設 美園御厨。神宮の荘園。生姜の献納は耕作者不足から近年、途絶えた。(静岡県神社庁ウェブサイト)
その他  美薗諏訪神社 浜松市浜北区西美薗1720 神社 美園御厨の鎮守。祭神は「建御名方命、誉田別命、素盞之男命」。創建不詳。1691年(元禄4年)再建の棟札があるという。(静岡県神社庁ウェブサイト)
その他 神宮御料山葵園 長野県安曇野市穂高 神宮施設 大王わさび農場。毎年5月に祈願祭。1949年(昭和24年)から。祭典にあわせて奉納する。(『みもすそ』60号)
その他  矢原神明宮 長野県安曇野市穂高931 神社 「天照皇大神」を祀る。矢原御厨の鎮守。わさび豊作祈願祭をおこなう。
その他 神宮苹果園 長野県安曇野市三郷小倉 神宮施設 安曇野地区では明治時代から伊勢講を組織し、諏訪神社を通して、神宮に奉納。1960年(昭和35年)諏訪神社の氏子を中心に神宮御料りんご奉賛会を設立。毎年5月に豊作祈願祭、天皇誕生日と祈年祭に神宮に奉納する。(『みもすそ』60号)
その他  小倉諏訪神社 長野県安曇野市三郷小倉 神社 祭神は健御名方命・八坂刀売命。創建不詳。1954年(昭和29年)、現在地に遷座。旧村社。
その他 由貴御倉 内宮 神宮施設 由貴大御饌に供進する御料を収める倉。御酒殿院の倉の一つ。「由貴殿」と呼ばれた。1047年(永承2年)の焼亡で廃絶。寛永の遷宮で復興した。6月15日の御贄神事で殿の東南の耳に御贄を掛け、神酒を奉納することが、1871年(明治4年)の神宮改正まで行われていた。(神宮要綱)
その他  由貴御倉神 内宮 皇大神宮所管社 「由貴御倉神」を祀る。由貴御倉の鎮守。
その他 伊勢神宮土器調製所 三重県多気郡明和町蓑村 神宮施設 神饌を供するのに用いる素焼きの土器を製作する施設。土器は一度使用したら埋められる。風日祈祭に供えられる御笠と御蓑もここで製作される。


御装束神宝・その他

種類 御料地/関連神社祭場 所在地 種別
御装束神宝 赤日子神社 愛知県蒲郡市神ノ郷町森58 神社 「三河の赤引の糸」の発祥地。「彦火火出見尊 豊玉彦命 豊玉姫命」を祀る。天智天皇の時代の創建。1916年(大正5年)に県社。式内社。『国内神名帳』に「赤孫大明神」とある。
御装束神宝 三河設楽・服部神社(大野神社内) 愛知県新城市大野字奥林54 神社 「三河の赤引の糸」の発祥地。「服部神社伝来赤引糸関係遺物」が市の有形民俗文化財となっている。もとは赤引伊兵衛沢にあったが、遷座した。
御装束神宝 初生衣神社 静岡県浜松市北区三ヶ日町岡本 神社 祭神は「天棚機姫命」。1968年(昭和43年)、おんぞ奉賛会を結成し、「おんぞ祭り」を開始。4月の第2土曜に毎年、浜名惣社神明宮に向かい、境内の天棚機姫命社から神御衣を持って帰り、奉納する神事を行なっている。遠州織物発祥の地とされる。境内に「織殿」がある。
御装束神宝 浜名惣社神明宮 静岡県浜松市三ケ日町三ヶ日122 神社 浜名神戸の鎮守。元は浜名県主の祖神を祀るが、神戸設置以後、天照大神を祀るようになったと言われている。
御装束神宝 湊神明社 愛知県豊橋市湊町1 神社 初生衣神社から送られた神御衣が5月14日に当社に奉安される。
御装束神宝 神宮神御衣御料所 愛知県田原市亀山町岡山1-14 その他 毎年6月26日、繰糸始め式が行われる。7月3日に伊勢神宮に伊良湖から船で奉納される。
御装束神宝 伊良湖神社 愛知県田原市伊良湖町 神社 伊良湖御厨。1905年(明治38年)、演習場設置のため、現在地に遷座。4月第3日曜に御衣祭が行われる。『三河国内神名帳』に「正三位 伊良久大明神」とある。
御装束神宝 神服織機殿 三重県松阪市大垣内町 神宮施設 神御衣祭で奉る和妙(絹布)を織る施設。下機殿。八尋殿。
御装束神宝  神服織機殿神社 三重県松阪市大垣内町 皇大神宮所管社 神服織機殿の鎮守社。5月と10月の1日に奉織始祭を行う。神麻続機殿神社に先立って行われる。
御装束神宝 神麻続機殿 三重県松阪市井口中町 神宮施設 神御衣祭で奉る荒妙(麻布)を織る施設。上機殿。八尋殿。
御装束神宝  神麻続機殿神社 三重県松阪市井口中町 皇大神宮所管社 神麻続機殿の鎮守社。5月と10月の1日に奉織始祭を行う。神服織機殿神社に続いて行われる。
御装束神宝 深江稲荷神社 大阪府大阪市東成区深江南3丁目16-17 神社 かつては菅笠を奉納していたという。
御装束神宝 調御倉 内宮 跡地 調を収蔵する。のちに政印が納められるようになり「御政印御倉」とも称した。廃絶。
その他 神戸神館神明社 三重県松阪市下村町1791 神社 元伊勢の伝承地の神社。境内の池の蘭を筵として奉納していたという。
その他 神宮御用紙製造場 三重県伊勢市大世古1丁目10-30 御用達企業 神宮大麻に使う紙を製造している。大豐和紙工業株式会社。明治天皇行在所跡がある。三輪神社がある。
その他 神宮苗圃 三重県伊勢市佐八町 神宮施設 榊や杉の苗を育てる施設。
その他 舗設御倉 内宮 跡地 筵、甍、簾などを収める蔵。廃絶。

脚注

http://shinden.boo.jp/wiki/%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E7%A5%9E%E5%AE%AE%E5%BE%A1%E6%96%99%E5%9C%B0」より作成

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