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台州・龍興寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2020年5月27日 (水)
台州龍興寺は、中華人民共和国浙江省台州市臨海市にある寺院。諸国龍興寺の一つ。臨海城の巾子山の西麓にある。804年9月から805年5月まで入唐した最澄がそのほとんどを過ごした場所。
歴史
唐の神龍元年(705)に建てられ始めた。初名は中興寺。 会昌5年(845)、「会昌の廃仏」で廃絶。大中年間(847-860)に復興。 乾道9年(1173)の火災で焼失。徳光と有権が再建した。明の洪武年間(1368-1398)に漸〓、永楽6年(1408)に惜法が復興。隆慶2年(1568)に水害で被災。明国という僧が再建。清の咸豊11年(1861)焼失。光緒17年(1891)に僧瓏が再建。日中戦争で日本軍の空爆で焼失。1999年、臨海市人民政府が再建。 (「龍興寺で仏法を学んだ最澄」[1]より)
名称変遷
- 神龍元年(705):中興寺
- 景龍元年(707):龍興寺
- 開元26年(738):開元寺(台州・開元寺は別寺院とも)
- 天宝3年(744):龍興寺
- 大中年間(847-860):開元寺
- 景徳年間(1003-1007):景徳寺
- 崇寧2年(1103):万寿寺
- 政和元年(1111):天寧寺
- 紹興7年(1137):広孝寺
- 紹興15年(1145):報恩光孝寺
- 元代:天寧寺
- 1999年頃:龍興寺
日本の入唐僧
- 最澄(767-822):804年9月26日、最澄は台州に到着。龍興寺にたまたま訪れていた道邃の講義を聴き、天台止観法門を学ぶ。その後、天台山に赴くが、11月5日、台州に戻り、龍興寺に入る。12月、最澄は義真と共に梵網戒を受ける。
- 円載(?-877):838年入唐。龍興寺に訪問。約40年間、唐に滞在。帰国途中に遭難死。
- 円珍(814-891):853年入唐。858年帰国。龍興寺(この時は開元寺。台州・開元寺は別寺院とも)に滞在。
- 奝然(938-1016):983年入宋。到着後まもなく龍興寺(当時は開元寺)を訪問し、その後2度立ち寄った。987年帰国。
- 成尋(1011-1081):1072年入宋。8月に龍興寺(当時は景徳寺)を訪問。宋で死去。