ようこそ『神殿大観』へ。ただいま試験運用中です。 |
大神神社
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2023年5月7日 (日)
大神神社 おおみわ じんじゃ | |
![]() | |
概要 | 三輪神社の総本社。 |
奉斎 | 倭大物主櫛〓玉命 (土岐昌訓論文) |
所在地 | 奈良県桜井市三輪1422 |
所在地(旧国郡) | 大和国式上郡 |
所属(現在) | 神社本庁 |
格式など | 式内社・名神大社・正一位勲二等・大和国一宮・二十二社・朱印地拝領神社・官幣大社・別表神社 |
関連記事 | 大神神社関連旧跡・三輪信仰・公祭・古事記神話登場神社 |
目次 |
概要
大神神社(おおみわ・じんじゃ)は、奈良県桜井市の三輪山麓にある、三輪信仰の総本社。本殿がない神社として知られる。摂社にも元伊勢の檜原神社、狭井神社、率川神社など重要な神社が多い。式内社・名神大社・正一位勲二等・大和国一宮・二十二社・朱印地拝領神社・官幣大社・別表神社。神宮寺として大和・平等寺や大御輪寺があり、中世には神仏習合の三輪神道の拠点となった。大神神社関連旧跡も参照。(参考:同名神社大神神社_(同名))
歴史
境内
組織
大宮司・宮司
代数 | 名前 | 生没 | 在職 | 略歴 |
---|---|---|---|---|
1 | 久保季茲 | 1830-1886 | 1873-1874 | 幕末維新期の国学者。1830年(天保1年)5月12日、江戸生まれ。代々幕府の医師だったが、母が神道を深く尊崇し、その影響で国学を志す。勤皇の志士として活動するが、大政奉還後は隠遁。1868年(明治1年)12月、神祇官書記。大学大助教、宣教中博士を経て教部省出仕。1873年(明治6年)3月4日大神神社大宮司、中教正となる。大神神社に本殿を立てる案もある中、「御諸山一山を社地と相定むる(明治天皇の)旨」を仰いだという(『大神神社史料』略歴の記述では久保がどういう見解を持っていたのかは不透明)。1874年(明治7年)11月28日、依願退職。宮内省出仕。皇典講究所で教える。1886年(明治19年)3月5日死去。享年57歳。墓所は谷中霊園にあり、「杉舎久保季茲大人碑」がある。子は日枝神社宮司の久保悳鄰。著書は『大三輪三社鎮座次第』(校合)、『大神神社御由来略記』『祝詞略解』『古道集語』『神武天皇紀講義』『大日本史補』『古語拾遺講義』『神徳略述頌』『三種神宝論』『稜威口語』『万葉山常百解』『洋教弁略』など。(『大神神社史料』ほか) |
2 | 桜井忠興 | 1848-1895 | 1875-1877 | 幕末維新期の尼崎藩主桜井家の当主。日本赤十字社の創設者。華族・子爵。貴族院議員。松平忠興とも。1848年(嘉永1年)1月8日、江戸鉄砲洲の尼崎藩邸で生まれる。松平忠栄の七男。1861年(文久1年)、14歳で継承。維新後、桜井家を名乗り、華族。1869年(明治2年)6月20日、尼崎藩知事。1871年(明治4年)、藩知事罷免。1874年(明治7年)7月9日、教導職大講義。翌年1月15日大神神社大宮司兼権少教正。神社へは大名行列をなして赴任したという。在職中、茅原西村邸に住んだ。1875年(明治8年)4月22日、狭井神社再興造営を出願。1877年(明治10年)6月16日、依願退職。西南戦争の最中、佐野常民と共に日本赤十字社の前身である博愛社を創設。明治28年4月29日死去。48歳。墓所は菩提寺の尼崎市の浄土宗深正院。(『大神神社史料』『日本人名辞典』ほか) |
3 | 古川躬行 | 1810-1883 | 1877-1879 | 幕末維新期の国学者。1878年(明治11年)4月、狭井神社拝殿再建を出願し、実現。同年5月29日、狭井神社正遷宮に奉仕。(略歴は、枚岡神社#組織を参照) |
4 | 渡辺玄包 | 1833-1905 | 1879-1881 | 幕末から明治前期の国学者。志士。1833年(天保4年)1月5日生まれ。徳山藩士。山口県周南市の山崎八幡宮の祠官を代々務めた。徳山で黒神直民に学び、京都で大国隆正に学ぶ。1869年(明治2年)12月4日、宣教権少博士。翌年5月24日、宣教少博士。7月4日、権中博士となり従七位。12月25日免官となり、神祇官出仕。1872年(明治5年)3月14日位記返上。6月8日、教導職中講義。7月27日、十等出仕となり新潟勤務を命じられる。1873年(明治6年)11月13日権大講義。28日教部中録。1875年(明治8年)1月15日、長崎出張。7月28日、司法省三級判事補となり、佐賀裁判所勤務を命じられる。三潴裁判所、長崎裁判所佐賀支庁などを経て、1877年(明治10年)12月20日、依願免官。翌年2月1日、内務省御用掛となり、社寺局事務取扱となる。1879年(明治12年)4月4日、大神神社宮司。5月10日、権少教正。8月26日、率川神社の管轄について春日大社から大神神社に復古するように建白。11月24日実現。12月2日、率川神社の受け渡しを経て10日に臨時祭典。12月18日、正七位。1880年(明治13年)4月7日、少教正。1881年(明治14年)12月9日、依願免官。1883年(明治16年)4月10日、司法省御用掛。弟子に道徳科学の創始者広池千九郎がいる。墓は故郷にある。『菅処歌集』。(『大神神社史料』、欠端実 「渡辺玄包と廣池千九郎」ほか) |
5 | 坂田莠 | 1830-1891 | 1881-1883 | 明治前期の内務官僚・神職。(略歴は、都農神社#組織を参照) |
6 | 松原貴速 | 1831-? | 1883-1886 | 明治前期の内務官僚・神職。(略歴は、広瀬神社#組織を参照) |
7 | 本山茂任 | 1826-1887 | 1886-1887 | 高知藩出身の志士。内務官僚・神職。(略歴は、白峰神宮#組織を参照) |
8 | 松岡利紀 | 1844-1907 | 1887-1888 | 明治前期の神職。(略歴は、気多大社#組織を参照) |
9 | 池田昇 | 1825- | 1888-1892 | |
10 | 斎藤美澄 | 1857-1915 | 1892-1893 | 『大和志料』を編纂。 |
11 | 岡部譲 | 1849-1937 | 1893-1894 | 国学者。賀茂真淵の子孫。(略歴は、伏見稲荷大社#組織を参照) |
12 | 東吉貞 | 1846- | 1894-1906 | |
13 | 西内成郷 | 1855-1911 | 1906-1911 | 橿原神宮宮司兼務。(略歴は、橿原神宮#組織を参照) |
14 | 桑原芳樹 | 1861-1943 | 1911-1912 | 橿原神宮宮司兼務。(略歴は、熱田神宮#組織を参照) |
15 | 山下政愛 | 1832-1924 | 1912-1921 | 鹿児島県出身の神職。(略歴は、龍田大社#組織を参照) |
16 | 目黒和三郎 | 1865-1923 | 1921-1923 | (略歴は、大山阿夫利神社#組織を参照) |
17 | 吉村清享 | 1873-1929 | 1924-1926 | 山口県出身の神職。1924年(大正13年)2月4日から1926年(昭和1年)10月1日まで大神神社宮司。津島神社宮司に転任。(略歴は長田神社#組織を参照) |
18 | 高橋万次郎 | 1877-? | 1926-1930 | 枚岡神社宮司。護王神社宮司。1919年9月2日から1921年5月まで平野神社宮司。1926年(昭和1年)10月1日、大神神社宮司。 |
19 | 遠山正雄 | 1877-1942 | 1930-1933 | 出羽神社宮司。(略歴は、西寒多神社#組織を参照) |
20 | 田上豊策 | 1882-1949 | 1933-1938 | 三重県出身。1882年(明治15年)生。1906年(明治39年)寒川神社禰宜。1918年(大正7年)7月8日、対馬・海神神社宮司。1923年(大正12年)4月27日、高良大社宮司。1933年(昭和8年)大神神社宮司。1938年(昭和13年)4月16日、浅間大社宮司。1944年(昭和19年)、郷里の長瀬神社に奉職。1949年(昭和24年)12月12日死去。 |
21 | 加藤七郎 | 1885-1947 | 1938-1947 | 1938年(昭和13年)4月16日、大神神社宮司。1947年(昭和22年)死去。(略歴は、鹿島神宮#組織を参照) |
22 | 高宮信房 | 1903-1950 | 1947-1950 | |
23 | 中山和敬 | 1905-1995 | 1950-1983 | |
24 | 藤田勝重 | 1911-1996 | 1983- | |
鈴木寛治 | 1944- | 2000- |
少宮司・権宮司
- 井上頼国(1839-1914):幕末明治の国学者。天保10年2月18日生まれ。江戸出身。平田鉄胤、権田直助に学ぶ。維新後、明治2年、皇漢医道御用掛。明治4年神習舎を開き、蔵書は神習文庫として伝わる。教部省出仕。明治8年、大神神社少宮司。皇典講究所設立に関わる。大正3年7月4日死去。墓所は青山霊園。『後宮制度沿革考』など。
画像
参考文献
- 土岐昌訓 平成7「旧官国幣社と延喜式内社」『神社史の研究』
脚注
上七社 | 1伊勢神宮![]() | 2石清水八幡宮![]() | 3賀茂神社 上賀茂神社・下鴨神社 ![]() ![]() | 4松尾大社![]() | 5平野神社![]() | 6伏見稲荷大社![]() | 7春日大社![]() | ||
中七社 | 8大原野神社![]() | 9大神神社![]() | 10石上神宮![]() | 11大和神社![]() | 12広瀬大社 | 13龍田大社![]() | 14住吉大社![]() | ||
下八社 | 15日吉大社 | 16梅宮大社![]() | 17吉田神社![]() | 18広田神社![]() | 19八坂神社![]() | 20北野天満宮![]() | 21丹生川上神社 上社・中社・下社 ![]() ![]() ![]() | 22貴船神社![]() |