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天王山官修墳墓

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2018年9月2日 (日)

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天王山官修墳墓は、京都府乙訓郡大山崎町(山城国乙訓郡)の天王山にある官修墳墓。被葬者は真木保臣ら志士17柱。中腹の宝積寺からさらに登り酒解神社に向かう参道沿いにある。天王山招魂場。現在は十七烈士の墓と呼ばれている。

歴史

1864年(元治1年)、禁門の変で敗れた真木保臣ら17人は天王山に立て籠もるが、7月21日に自刃した。墓地は初め宝積寺三重塔の前に設けられた。この時の設計図が霊山歴史館にある(天王山招魂場絵図)[1]。参詣者が多いため、幕府方が藪の中に移した。1868年(明治1年)に酒解神社の参道の現在地に改葬された(改葬時期は異説あり)。宝積寺の旧地には「殉国十七士墓」碑がある。毎年10月21日に祭典を実施。関連団体として「天王山勤皇十七烈士顕彰会」がある。玉垣に囲まれた「烈士墓表」碑(1868年(明治1年)9月の銘)が中央にあり、その背後に7柱の墓碑、左右に5柱ずつの墓碑が並ぶ。 (日本歴史地名大系ほか)

被葬者

  • 真木保臣(1813-1864):久留米水天宮宮司。52歳。贈正四位。真木和泉。
  • 加藤任重(1832-1864):久留米藩士。池尻始に学ぶ。33歳。贈正五位。加藤常吉。
  • 池尻懋(1840-1864):久留米藩士。池尻始の養子。父と共に尊攘運動に加わるが、脱藩して長門に赴く。24歳。贈正五位。池尻茂四郎。
  • 松浦寛敏(1836-1864):久留米藩郷士。熊本で横井小楠、江戸で安井息軒や大橋訥庵に師事。1863年(文久3年)脱藩して長門に赴く。29歳。贈正五位。松浦八郎。
  • 松山正夫(1837-1864):高知藩士。1861年(文久1年)土佐勤王党に加盟。千屋孝健と共に三田尻に赴く。忠勇隊隊長を務めた。28歳。贈従四位。松山深蔵。
  • 千屋孝健(1837-1864):高知藩士。千屋金策の兄。土佐勤王党に加わる。1863年(文久3年)周防三田尻に赴き、三条実美らを護衛。禁門の変で忠勇隊に所属。26歳。贈従四位。千屋菊次郎。
  • 能勢成章(1842-1864):高知藩士。土佐勤王党に加盟。1863年(文久3年)北海道、北陸を視察。忠勇隊に所属。22歳。贈正五位。能勢達太郎。「能瀬」は誤りか。
  • 安藤強恕(1843-1864):高知藩士。土佐勤王党に加盟。1863年(文久3年)脱藩して長門に赴く。忠勇隊に所属。22歳。贈正五位。安藤真之助。
  • 岸上安臣(1837-1864):宇都宮藩士。江戸で朱子学者大橋訥庵に師事。1863年(文久3年)脱藩して高杉晋作らの活動に加わる。25歳。贈正五位。岸上弘。
  • 広田執中(1840-1864):宇都宮藩士。朱子学者大橋訥庵に師事。藩校修道館教授。28歳。贈従四位。広田精一。
  • 松田安定(1827-1864):福岡藩士。1864年(元治1年)、吉田正実と共に佐幕派の藩重臣の牧市内を暗殺して脱藩。山口藩に合流。38歳。贈従五位。松田五六郎。
  • 小坂雄宗(1843-1864):熊本藩士。1863年(文久3年)、藩の京都守衛となり、親兵隊長。のち脱藩し、三条実美らを護衛。22歳。贈正五位。小坂小次郎。
  • 加屋時雄(1844-1864):熊本藩士。加屋霽堅の弟。木原楯臣に師事。1863年(文久3年)、藩の京都守衛。八月十八日の政変で脱藩して長門に赴く。21歳。贈正五位。加屋四郎。
  • 酒井直則(?-1864):熊本藩士。酒井庄之助。
  • 宮部春蔵(1839-1864):熊本藩士。宮部鼎蔵の弟。1862年(文久2年)脱藩。山口藩の活動に合流。禁門の変で大和郡山藩の説得に向かうが敗北を知り、京都に戻る。26歳。贈正五位。
  • 西島頼秋(1833-1864):熊本藩士。禁門の変で大和郡山藩の説得に向かうが敗北を知り、京都に戻る。32歳。贈正五位。西島亀太郎。
  • 中津義直(1833-1864):熊本出身。大坂相撲の力士。「矢筈岳」の四股名を持っていた。1863年(文久3年)周防に赴く。30歳。贈従五位。中津彦太郎。

(日本人名大辞典ほか)

http://shinden.boo.jp/wiki/%E5%A4%A9%E7%8E%8B%E5%B1%B1%E5%AE%98%E4%BF%AE%E5%A2%B3%E5%A2%93」より作成

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