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法門寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2019年1月12日 (土)
法門寺は、中国鳳翔郊外(陝西省宝鶏市扶風県)にあるアショーカ王旧跡の寺院。中国を代表する仏舎利信仰の寺院。阿育王寺、無憂王寺とも。
歴史
インドのアショーカ王(阿育王)が仏舎利を収めるために建てたとされる。その塔は「護国真身塔」と呼ばれた。元魏2年、舎利供養を行った記録がある。唐代には30年ごとの舎利供養が恒例となった。631年が初見で、勅許で塔を開いたところ、失明が治るという霊験を示し、数万人が押し寄せたという。その次からは舎利が都に運ばれて、いわば出開帳された。これは唐代に6回行われた。819年に都に仏舎利を迎えた時、喜捨が相次ぎ破産・失業するものが相次いだ。灯明を献じる代わりに身体の一部を燃やすものも現れた。 789年~790年には仏舎利の送迎が恵果に関わっており、仏舎利の位置付けについて恵果弟子の空海が835年に日本で始めた後七日御修法との共通性が指摘されている。(内藤栄2017「空海の舎利信仰の源流 後七日御修法とスリランカの仏歯供養」『鹿園雜集 奈良国立博物館研究紀要』[1])