秩父三十四所観音霊場

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-） 最終更新：2017年5月8日 (月)

概要

秩父三十四所観音霊場は、埼玉県秩父地方にある観音霊場。秩父市の四万部寺に始まり、秩父郡皆野町の水潜寺を結願とする。34カ所を巡る全長約80kmの巡礼道となる。西国三十三所、坂東三十三所と合わせて百観音霊場という。

平安時代の性空が開いたという伝説や、また文暦元年（1234）開創という伝承もあるが、実際には室町時代中期の成立と考えられている。長享2年（1488）の札所一覧が残っているが、秩父・定林寺を第1番札所とするなど順番が現在と異なっている。天正以降、寛永以前の間に江戸に近い四万部寺（妙音寺）を第1番札所とする現在の順番になった。当初は33カ所だったが、西国・坂東と合わせ100カ所とするため、秩父・真福寺が加わえられた。

構成寺院のほぼ全てが禅宗であること、他の観音霊場が国を超えて広範囲に分布しているのに対し、武蔵国の一地方の寺院のみで成り立っていることが大きな特徴である。秩父妙見を取り巻くように分布しているという。寺院というより、小規模な観音堂が多い。別当寺院が観音堂を吸収した場合もあるが、旧来の姿を残している札所もある。

廃仏棄釈で打撃を受けた。大正時代、秩父札所連合会が設立された。

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参考文献

秩父札所連合会ウェブサイト

脚注