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諭鶴羽神社

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2022年11月1日 (火)

諭鶴羽山から転送)
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諭鶴羽神社・参道 (8).jpg

諭鶴羽神社(ゆづるは・じんじゃ)は、兵庫県南あわじ市灘黒岩の諭鶴羽山にある熊野信仰の神社。祭神は伊弉冊尊事解之男尊速玉之男尊。熊野権現が紀伊国に鎮座する前に留まったという縁起から元熊野宮とも称する。諭鶴羽山権現、諭鶴羽権現。

目次

歴史

「元熊野宮諭鶴羽宮」碑
  • 開化天皇代:狩人が矢で射た鶴を追って山のカヤの大樹で示現に会い創建。あるいは『諭鶴羽大権現其外所々縁起』では神武天皇25年、諭鶴羽大権現、インドのマガダ国から鶴の羽車に乗って諭鶴羽の峰に渡り、その後、藤代、熊野本宮、英彦山、羽黒山、那智山、越中立山に移ったという。また別に『熊野権現御垂迹縁起』によると、唐の天台山から九州の英彦山、四国の石鎚山、淡路島の諭鶴羽山を経て紀伊国の熊野新宮の神倉山に渡ったと伝える。
  • 平安時代:『枕草子』に「峰はゆづるはの峰、阿弥陀の峰、弥高の峰」とつづられる。
  • 1163年(長寛1年):『熊野権現御垂迹縁起』成立。
  • 1334年(建武1年)10月18日:行範が参道に町石を建立。
  • 1456年(康正2年):兵火で焼失。同年「諭鶴羽山註文事」編纂
  • 1488年(長享2年):薬師堂跡の五輪塔建立。
  • 1549年(天文18年)6月9日:石川光元の兵火で焼失。
  • 1551年(天文20年)8月20日:美作国の住民が十二所権現の神像を造立。
  • 1552年(天文21年)5月28日:美作国の住民が板碑群を建立。
  • 1526年(大永6年):勧進帳(護国寺蔵)が現存。
  • 1581年(天正9年)11月21日:豊臣秀吉が参拝。
  • 承応年間(1652-1655):徳島藩蜂須賀家が社殿復興。
  • 1735年(享保20年)頃:表参道の町石建立。
  • 1744年(延享1年)頃:裏参道の町石建立。
  • 明治初年:神仏分離。境内の神仙寺が麓の地蔵寺跡に移転。
  • 1923年(大正12年):境内拡張。
  • 1933年(昭和8年):本殿改築。
  • 1936年(昭和11年):本殿西側を発掘調査。天文銘の板碑を発見。
  • 1941年(昭和16年):山頂に御旅所を建立。
  • 1955年(昭和30年):福良で1551年(天文20年)銘の神像を発見。
  • 1963年(昭和38年)5月1日:つばめ号事故
  • 1969年(昭和44年):奥宮を創建。1551年(天文20年)銘の神像を奉安。杠山荘新築。
  • 1971年(昭和46年):奥本霊神像建立。
  • 1973年(昭和48年)1月:「元熊野宮諭鶴羽宮」碑建立。
  • 1974年(昭和49年):裏参道の神倉神社近くに諭鶴羽ダム建設。
  • 1975年(昭和50年):裏参道の町石を奥宮そばに移築。
  • 1983年(昭和58年):平和祈念塔建立。
  • 2001年(平成13年)秋:神社社叢の東側で建武銘の町石が発見された。
  • 2008年(平成20年)3月30日:大日堂を建立。採燈大護摩供を始める。
  • 2012年(平成24年)1月28日:天の浮橋遥拝所を建立。
  • 2016年(平成28年):頂上社創建。神倉神社修復。


境内

本社周辺

  • 本社:
  • 厳島神社:摂社。祭神は市杵島媛命
  • 水神社:摂社。祭神は彌都波能売命
  • 大日堂:本尊は胎蔵界大日如来・金剛界大日如来。
  • 神仙寺:境内にあった。観音堂。麓に移転して現存。高野山真言宗。
  • 十二所神社:奥宮。祭神は伊弉冊尊。1551年(天文20年)「十二所権現」銘の神像を奉安する。
  • 石祠:奥宮の脇にある。「諭鶴羽大権現」と刻む。
  • 板碑群:奥宮の脇にある。
  • 奥本霊神:奥宮の近くにある。
  • 天の浮橋遥拝所:沖合の沼島や、紀伊の峰々を望むことができる。
  • 平和祈念塔:戦没者慰霊碑。奥宮から頂上に向かう途中にある。
  • 篠山神社:奥之院。祭神は伊弉諾尊・伊弉冊尊・大地主尊。奥宮から頂上に向かう途中にある。
  • 頂上社:祭神は諭鶴羽大神と八天狗。標高607.9m。2016年(平成28年)創建。
  • 御旅所:頂上社のそばにある。1941年(昭和16年)建立。

表参道

  • 地蔵寺:別当。廃絶。
  • 灘黒岩遥拝所:表参道入り口
  • 柴折地蔵:表参道。
  • 行場の滝:表参道。
  • つばめ号遭難慰霊碑:
  • 薬師堂:表参道。廃絶。五輪塔がある。

裏参道

  • 神倉神社:裏参道。摂社。

資料

  • 『諭鶴羽大権現其外所々縁起』:兵庫県神社誌所収
  • 『熊野御垂迹縁起』:1163年(長寛1年)。長寛勘文。
  • 『諭鶴羽山註文事』:1456年(康正2年)。護国寺文書。祭神として証誠大菩薩(本地阿弥陀如来)・両所権現(本地薬師如来)・若宮王子(本地十一面観音)などを記す。
http://shinden.boo.jp/wiki/%E8%AB%AD%E9%B6%B4%E7%BE%BD%E7%A5%9E%E7%A4%BE」より作成

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