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足立寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2023年5月17日 (水)
足立寺は、山城国綴喜郡にあった古代寺院。本尊は弥勒菩薩。京都府八幡市西山の西山廃寺に比定され、遺構が一部移転復元され、史跡公園となっている(跡地は公園から西南50mの場所にあり、住宅地や道路になっている)。山城・和気神社が隣接する。和気氏の氏寺。石清水八幡宮関連旧跡。
豊蔵坊信海の墓の道標があるが、墓碑はない。
- 発掘成果によると奈良時代の建立
- 『八幡愚童訓』によると、和気清麻呂が宇佐神宮託宣を受けた時に神願で創建。一説には、神願寺と同一とする説もある(当時はこの地は山城国ではなく河内国だったとする)(『護王神社』、和気神社由緒書)。同時に八幡宮も立てられた(石清水八幡宮より早いことになる。和気神社の起源)。
- 1335年8月12日の「雑訴決断所牒」(石清水文書)などによると、楠葉庄に「弥勒寺」という寺院があり、石清水八幡宮と和気氏の間で争論となったものの石清水八幡宮の神領と認められたが、この弥勒寺を足立寺に比定する説がある(『日本歴史地名大系』)。
- 江戸時代には小さな弥勒堂が残っていたが退転(男山考古録)。
- 1968年(昭和43年)~1973年(昭和48年):本格的な発掘調査。堂跡と塔跡が見つかった。付近から瓦釜も出土している。
- 1975年(昭和50年)頃:遺跡は宅地造成で道路や住宅地となる。遺構の一部は移設して史跡公園として整備された。