南遣迎院

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-） 最終更新：2022年3月21日 (月)

山門

遣迎院（けんこういん）は京都府京都市東山区本町にある天台宗系・浄土宗系の寺院。本尊は十一面観音。浄土宗西山派開祖の証空の没地で墓所。江戸時代は天台宗の所属だったが現在は浄土宗西山禅林寺派。遣迎院が分裂。南遣迎院。山号は慈眼山。

分裂以前の歴史は遣迎院の項目を参照。当初は発遣の釈迦と来迎の弥陀を本尊としていた。1583年(天正11年)、二分されて南遣迎院と京極遣迎院となった。1705年(宝永2年)の『山城名勝志』に遣迎院「旧跡」に「猶有小堂」とあるのが南遣迎院のことと考えられ、1787年(天明7年)の『拾遺都名所図会』は「京極遣迎院の兼帯所也」と記すので、京極遣迎院が本寺だったのだろう。1868年(明治1年)2月に廃絶したが（京都府地誌）、のち有志が復興し、1914年(大正3年)に遣迎院の名を継いだという（坊目誌）。「西山国師御終焉之地」碑がある。 安倍晴明の塚があった。証空の墓があるらしいが不詳。（『証空事典』、『日本歴史地名大系』）

「西山国師御終焉之地」碑	「西山国師御終焉之地」碑	山門
本堂か。右脇に毘沙門天	毘沙門天のムカデ紋