大伝法院

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-） 最終更新：2018年12月31日 (月)

大伝法院は、高野山にあった真言宗寺院。根来寺の前身。平安時代末期、覚鑁が鳥羽上皇の帰依を得て創建。現在の金剛峰寺本坊、かつての青巌寺の地にあった。根来寺関連旧跡。

組織

大伝法院座主1

『望月仏教大辞典』には以下のように記載する。

• 1覚鑁（1095-1143）
• 2真誉（1069-1137）
• 3行恵
• 4信鑁
• 5実禅
• 6禅信
• 7覚尋
• 8定尋
• 9行位
• 10定尋
• 11道厳
• 12覚瑜
• 13定豪（1152-1238）：東寺長者、勝長寿院別当、鶴岡八幡宮別当。
• 14覚瑜：再任。
• 15寂尊
• 16定豪：再任。
• 17定観
• 18行遍（1181-1264）：東寺長者
• 19教禅
• 20禅助（1247-1330）：東寺長者。
• 21兼助

大伝法院座主2

「大伝法院座主補任次第」[1]によると次のようになる。12世以降、天正年間まで仁和寺真光院が兼務したという。

• 1真誉（1069-1137）<>：高野山持明院。
• 2覚鑁（1095-1143）<>：
• 3神覚（）<>：
• 4日禅（）<>：浄厳房と号す。
• 5隆海（）<>：仁和寺釈迦文院。
• 6覚尋（）<>：仁和寺の僧。池上少納言。
• 7尋海（）<>：仁和寺寂光院。
• 8覚瑜（）<>：仁和寺真光院。
• 9覚禅（）<>：仁和寺胎金房。
• 10道耀（）<>：仁和寺勝宝院。
• 11禅助（1247-1330）<>：仁和寺宝生院。
• 12成助（）<>：仁和寺真光院。仁和寺別当。

学頭

• 1教尋（?-1141）<>：覚鑁の師。宝生院。
• 2信慧（生没年不詳）<1132->：覚鑁の弟。1132年(長承1年)大伝法院学頭。1134年(長承3年)金剛峰寺検校。（日本人名大辞典）
• 3兼海（1107-1155）<>：覚鑁の弟子。密厳院2世。円明寺2世。一度高野山を追放されるが後に帰山。高野山覚皇院（廃絶）を開いた。
• 4俊晴（）<>：蓮華院（高野山蓮華院。根来寺蓮華院？）に住す。
• 5会慶（）<>：華遊院。
• 6観心（）<>：華遊院。
• 7忠俊（）<>：東別所。
• 8頼瑜（1226-1304）<1266->：1266年(文永3年)学頭就任。中性院と称す。高野山にも醍醐寺にも根来寺にも中性院があった。1288年(正応1年)高野山を離れ、根来に移る。
• 9良殿（1264-1336）<1304->：清浄金剛院。頼瑜に学ぶ。1304年(嘉元2年)大伝法院学頭。
• 10印俊（）<>：修学院。
• 11玄雲（）<>：教王院。
• 12実算（）<>：宝積院。
• 13順慶（）<>：迎接院。順継？
• 14頼豪（1282-1360）<>：蓮華院実尊、中性院頼瑜に学ぶ。蓮華院を継ぐ。
• 15聖憲（1307-1392）<>：中性院4世。
• 16聖融（）<>：中性院6世。
• 17長盛（）<>：根来寺智積院を開く。
• 18融秀（）<>：妙楽院。
• 19政憲（）<>：総持院。
• 20融喜（）<>：十輪院。
• 21道瑜（1422-?）<>：十輪院。初めて能化と呼ばれる。極楽院政秀、智積院長盛に学ぶ。客坊衆から支持を得た。1493年(明応2年)以降の消息は不明。
• 22頼誉（生没年不詳）<>：小池坊を創建。常住衆から支持を得た。道瑜と共に両能化と呼ばれた。
• 23聖誉（）<>：十輪院。
• 24聖瑜（）<>：十輪院。
• 25玄誉（）<>：小池坊3世。
• 26日秀（1495-1577）<1556->：1556年(弘治2年)根来寺智積院の能化。晋山の際に六大法身の論議を行い、以後、能化就任の恒例となる。
• 28頼玄（1506-1584）<>：小池坊4世。
• 29専誉（1530-1604）<1584->：長谷寺1世。
• 30玄宥（1529-1605）<1577->：京都智積院1世。

「大伝法院学頭補任次第」[2]による。

同書に記載されないが、他に記述が確認できる学頭

• 証印（1105-1187）<>：覚鑁の弟子。1177年(治承1年)、高野山大乗院を開く。
• 融源（1120-1217）<>：覚鑁の親族。
• 順継（1260-?）<>：
• 聖心（生没年不詳）<>：教尋に師事。仏厳ともいう。
• 睿憲（）<>：
• 玄性（生没年不詳）<>：小池坊2世。
• 禅助（）<>：