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寿福寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
寿福寺は、神奈川県鎌倉市扇ガ谷にある臨済宗の本山級寺院。臨済宗建長寺派。鎌倉五山の第3位。北条政子が源頼朝の菩提寺として栄西を招き創建。関東祈祷所。源実朝墓・北条政子墓がある。寿福金剛禅寺。山号は亀谷山。
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歴史
鎌倉幕府が開かれる以前、元は源義朝の邸宅があった場所だと伝える。 鎌倉入りした源頼朝は当初、幕府をこの場所に建てようとしたが、岡崎義実の土地となっており、断念した。岡崎義実はこの地に源義朝の菩提を弔うための亀谷堂という仏堂を建てていた。のち、子の土屋義清が受け継いだ。1181年3月1日、亀谷堂で、頼朝母の供養が営まれた。
1200年閏2月12日、北条政子が頼朝の菩提寺の創建を発願。翌日、将軍源頼家により、この土地は京都から招かれた栄西に寄進された。7月15日には十六羅漢の開眼供養が営まれており、何らかの仏堂が完成していたようだ。その後も造営は続けられたようだが、1247年11月7日、1258年1月17日に全焼した。
1215年に栄西が没して退耕行勇が晋山。初期は禅密兼修だったが、鎌倉の武士たちに禅宗が浸透する拠点となり、鎌倉の禅宗興隆の礎となった。円爾弁円が禅林清規が定めた。
幕府とは密接な関係にあり、北条政子や源実朝がたびたび参詣しているが、紀行文には取り上げられることもなく、当初はこじんまりとした伽藍だったと考えられる。禅刹としての体裁は1278年頃に整えられたと推定されている。1283年、大休正念が塔頭蔵六庵を創建した。
1323年の北条貞時十三年忌供養には寿福寺から260人の僧侶が出仕しているが、これは建長寺・円覚寺に次ぐ規模であり、非常に興隆していたことが伺える。
鎌倉末期に五山に列格。
1342年に五山3位となり、1386年には鎌倉五山3位となった。
1367年、義堂周信が寿福寺逍遥庵を訪れ、栄西頂相を参拝した。 1335年頃、蔵六庵は円覚寺に移転した。
1395年火災。 1467年火災。1468年には五重塔が倒壊した。 1486年ごろに参詣した万里集九の「一人の僧侶にも遭わなかった」と書かれるほど衰退した。 1591年、徳川家康が5貫200文を寄進。
1649年、寿福寺敷地を削って水戸藩主徳川頼房が母の菩提寺として英勝寺を建てたため、寺領を加増された。
1714年、仏殿を建立 1844年、開山堂や客殿を建立した。
本尊の釈迦如来三尊像は唐の陳和卿の作と伝えられ、籠釈迦と呼ばれる。
(『国史大辞典』、『日本歴史地名大系』ほか)
伽藍
塔頭
- 桂陰庵:
- 正隆庵:
- 悟本庵:
- 積翠庵:
- 逍遥庵:栄西の塔頭。
- 松鵠庵:
- 桂光庵:
- 大沢庵:
- 定光庵:
- 聯燈庵:
- 松月庵:
- 雲龍庵:
- 大秀庵:
- 桂昌庵:
- 瑞龍庵:
- 蔵六庵:大休正念の塔頭。
- 乾徳寺:月山希一が創建。龍興山
組織
住職
- 1明庵栄西(1141-1215)<>:
- 退耕行勇
- 蔵叟朗誉(1194-1277)<>:釈円栄朝の法嗣。上野・長楽寺2世、寿福寺住職を歴任。
- 6大休正念
- 秋澗道泉
- 雲屋恵輪