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時宗の流派

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)

2019年5月19日 (日) 時点におけるWikiSysopKARASUYAMA (トーク | 投稿記録)による版
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時宗

目次

概要

系譜

中世近世の流派
名称 開祖 拠点寺院 通称 現在の所属 コメント
1 遊行派 有阿呑海 藤沢山無量光院清浄光寺 遊行寺・藤沢道場 時宗 時宗最大の流派。遊行上人3世の智得が死去したとき、呑海が継承しようと当麻道場(無量光寺)に戻ろうとしたが智光が先に継承したため拒否されて、藤沢に新たに道場を創建。これが清浄光寺であり、遊行派の創始である。当麻派では遊行を廃したが、当派では遊行を続けたために遊行派と呼ばれた。京都では七条道場金光寺(市屋道場とは別寺)が遊行の拠点となったという。南北朝時代以降、主導権を確立し、元禄年間ごろまでに統制権を確立したという。(『仏教宗派辞典』)
2 一向派 一向俊聖 八葉山蓮華寺 番場蓮華寺 浄土宗 然阿良忠の弟子の一向俊聖は、1273年(文永10年)、諸国遊行に出て、大隅八幡宮宇佐八幡宮などで踊り念仏を広める。近江番場に蓮華寺を建て、礼智阿に継承した。1687年(貞享4年)頃には清浄光寺の統制下に入った。現在は浄土宗所属。(『仏教宗派辞典』)
3 奥谷派 仙阿(心阿) 豊国山遍照院宝厳寺 時宗 一遍の弟と言われる仙阿(または心阿)が故郷伊予で布教。宝厳寺の地名より奥谷派と呼ばれる。遊行派と教義は変わりがないといい、南北朝時代の遊行上人7世の託阿のときに遊行派に入ったという。(『仏教宗派辞典』)
4 当麻派 内阿智光 当麻山金光院無量光寺 当麻道場 時宗 遊行上人3世の智得が死去したとき、その弟子の他阿智光(内阿)が呑海は義絶されたとし、自ら継承して成立。その正統性を争って、明治時代まで確執が続いた。(『仏教宗派辞典』)
5 四条派 浄阿真観 錦綾山金蓮寺 四条道場 時宗 浄阿真観は元律僧で、忍性の弟子であったが、興国寺無本覚心の下で禅を学んだ後、熊野で神託を受けて、全国遊行していたところ、1300年(正安2年)に上野で真教と出会って弟子となった。京都四条の祇陀林寺に住し、後伏見天皇の后の帰依を受けて、金蓮寺の勅額と上人号を下賜されたという。代々、浄阿を名乗り、京都を中心に遊行派と対抗した。(『仏教宗派辞典』)
6 六条派 聖戒 紫苔山河原院歓喜光寺 六条道場 時宗 一遍の従弟とも言われる聖戒(性海)が開祖。一遍に付き従い、臨終の時は枕元で看護したという。一遍の死後、藤原忠教の帰依を受けて、一遍10回忌に『一遍聖絵』を作成。六条の源融の河原院跡に歓喜光寺を創建。歴代は弥阿上人を名乗った。(『仏教宗派辞典』)
7 解意派 解意阿観鏡 如体山広島院新善光寺 時宗 真教の弟子、解阿が開祖。真教の弟子ではなく一向の弟子の解意阿という説もある。証空弟子という説もある。
8 霊山派 国阿 霊山無量寿院正法寺 時宗 遊行上人7世託阿の弟子の国阿(随心、真空)を開祖とする。もと播磨国の領主。霊山正法寺に住し、双林寺に住した。霊山正法寺の弟子を霊山派という
9 国阿派 国阿 金玉山法華三昧無量寿院沙羅双樹林寺 双林寺 天台宗延暦寺派 遊行上人7世託阿の弟子の国阿(随心、真空)を開祖とする。もと播磨国の領主。霊山正法寺に住し、双林寺に住した。双林寺の弟子を国阿派という。霊山派と本末争いを起こし、双林寺は天台宗へ代わった。天台宗延暦寺派。
10 市屋派 作阿 市中山最勝王院金光寺 市屋道場・一夜道場 時宗 金光寺は空也が創建、その寺の唐橋法印が1287年(弘安10年)、一遍に帰依。作阿と称す。明治時代に遊行派に統合。
11 天童派 一向俊聖 宝樹山称名院仏向寺 浄土宗 良忠の弟子の一向俊聖は、1273年(文永10年)、諸国遊行に出て、大隅八幡宮宇佐八幡宮などで踊り念仏を広める。招かれて天童に行き、仏向寺を立てる。そこで一向は死去したとされる(一向派では蓮華寺で死去したとする)。現在は浄土宗所属。(『仏教宗派辞典』)
12 御影堂派 王阿 新善光寺 時宗 新善光寺の祐寛が後嵯峨天皇の病気を直したことから天皇は皇子を出家させて一遍の弟子とした。後嵯峨天皇の御影と一遍の御影を祀る御影堂があった


画像

参考文献

『仏教宗派辞典』

脚注

http://shinden.boo.jp/wiki/%E6%99%82%E5%AE%97%E3%81%AE%E6%B5%81%E6%B4%BE」より作成

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