曼殊院

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-）

曼殊院（まんしゅいん）は、京都府京都市左京区にある、天満信仰の天台宗の門跡寺院。本尊は阿弥陀如来。天台宗延暦寺派門跡寺。西塔北谷東尾坊が起源という。北野天満宮を管轄下に置いた。配下に目代の春林坊、社務三家の松梅院、徳勝院、妙蔵院があった。曼殊院門跡。竹内門跡。北野寺務宮とも称す。北野天満宮関連旧跡。

歴史

最澄が比叡山に建てた坊が起源とされる。 天慶年間、是算が西塔北谷に移し、東尾坊（とうびぼう）と称した。 是算は菅原氏出身であったことから菅原道真を祀る北野天満宮の創建に当たり、その別当となる。別当となったのは忠尋の代からともいう。 そのために京都に設けられた里坊が現在の曼殊院の直接の起源と思われ、天仁年間、曼殊院と称する。 当初の位置は不詳だが、永久年間、北山に移転した。あるいはこの時が里坊の始まりともいう。 場所は現在の鹿苑寺（金閣寺）のあたりという。足利義満が北山山荘の造営のために御所近くに移した。 比叡山の本坊は南北朝時代にはあったが後に途絶えたらしく、京都の里坊だけが残った。 文明年間、門跡寺院となる。 1656年、現在地に移転。

戦乱を避け常陸・西蓮寺に一時避難したという（同寺縁起）。

（国史大辞典、日本歴史地名大系）

組織

住職

• 最澄（）<>：
• 円仁（）<>：
• 安恵（）<>：
• 最円（）<>：
• 玄鑑（）<>：
• 覚恵（）<>：
• 慈恵（）<>：
• 是算（生没年不詳）<>：菅原氏。曼殊院を創建。北野別当に任じられる。
• 遍救（962-1030）<>：
• 教円（979-1047）<>：天台座主。
• 長算（992-1057）<>：慈徳寺別当。法興院別当
• 仁暹（）<>：
• 真尊（）<>：
• 頼延（）<>：
• 忠尋（1065-1138）<>：十楽院を創建。天台座主。曼殊院と名乗るのはこの代からという。
• 顕尋（）<>：
• 円仙（）<>：
• 仙範（）<>：
• 承信（）<>：
• 承兼（）<>：
• 公澄（）<>：
• 道救（）<>：
• 慈順（）<>：北山に移転。
• 慈厳（1298-1359）<>：天台座主。
• 慈快（）<>：
• 慈守（）<>：
• 慈昭（）<>：
• 道豪（）<>：
• 良順（1378-1421）<>：天台座主
• 覚什（）<>：
• 良什（?-1460）<>：天台座主
• 良鎮（）<>：
• 慈運法親王（1466-1537）<>：法性寺座主。以後、門跡寺院。
• 覚恕法親王（1521-1574）<>：
• 良恕法親王（1574-1643）<>：天台座主
• 良尚法親王（1622-1693）<>：天台座主。曼殊院を現在地に移転
• 良応法親王（1678-1708）<>：天台座主。
• 慈仁法親王（1723-1735）<>：仁和寺に移る。
• 良啓法親王（公啓法親王）（1732-1772）<>：輪王寺宮に移る。
• 公璋法親王（）<>：輪王寺宮
• 精宮（）<>：
• 富宮（）<>：
• 譲仁法親王（1824-1842）<>：邦家親王王子。
• 光檀（）<>：
• 石室孝暢（）<>：
• 山岡観澄？
• 中村勝契（）<>：
• 久田全珖（）<>：
• 山口光円（1891-1972）<1947->
• 山口円道（）<>：
• 半田孝淳（）<-2007>：2007年(平成19年)2月、天台座主に昇任。
• （浜中光礼）<2007-2007>：宗務総長として代務。
• 42藤光賢（1932-）<2007->：宗務総長。1932年(昭和7年)生。1950年(昭和25年)得度。大正大学文学部卒。天台仏教青年連盟代表。1979年(昭和54年)宗会議員。宗会議長。宗会副議長。1997年(平成9年)12月から2001年(平成13年)12月まで宗務総長。2007年(平成19年)12月2日曼殊院門跡門主に就任（任期は7年間）。自坊は佐賀金乗院。（『天台ジャーナル』58）

（望月仏教大辞典、竹内秀雄『天満宮』）

子院

• 随縁院
• 修学院
• 静慮院

資料

• 『曼殊院縁起』
• 『曼殊院門跡伝法師跡次第』

• 『京都府古文書等緊急調査報告書・曼殊院古文書・聖教目録』