東泉院

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-）

2020年3月16日 (月) 時点における版

東泉院は駿河国富士郡の富士山麓にあった富士信仰の真言宗寺院。下方五社（富知六所浅間神社・瀧川神社・今宮浅間神社・入山瀬浅間神社・日吉浅間神社）の別当。弘法寺とも称し、村山浅間神社別当の興法寺と元来は一体だったという説もある。山号は富士山。

歴史

1646年(正保3年)7月、醍醐寺報恩院の末寺となるか 徳川家茂が上京する際、1863年(文久3年)と1865年(慶応1年)に宿泊。

本堂 歓喜堂 東照宮 護摩堂

2006年(平成18年)から六所家旧蔵資料の総合調査が行われている。

組織

歴代住職

• 1雪山頼恵（）<>：中興。駿河出身。村山興法寺の出身という。本山派の修験僧。今川家の使僧も務めた。
• （長仁）（）<>：雪山の子か。歴代に数えず。
• 2快印（?-1624）<1600->：駿河出身。真言宗僧。久能寺から転任。1624年(寛永1年)死去。
• 3快温（?-1647）<>：遠江出身。建穂寺青華院から転任。1647年(正保4年)死去。
• 4快盛（-1665）<>：遠江出身。大山寺宝集院、三島大社愛染院を経て転任。1665年(寛文5年)死去。57歳。
• 5快筭（-1665）<>：駿河出身。1665年(延宝1年)死去。46歳。
• 6快真（-1674）<>：駿河出身。1674年(延宝2年)死去。26歳。
• 7快雅（?-1685）<>：駿河出身。1685年(貞享2年)死去。
• 8覚胤（?-1691）<>：1691年(元禄4年)死去。
• 9円成（?-1714）<>：高野山正智院の宥専の弟子。1714年(正徳4年)死去。
• 10精海（1652-1709）<1704->：円真とも。隆光の配下として代理を務めるなど、活動を支えた。多くの聖教を残す。護持院子院の大聖院、同月輪院に住す。1709年(宝永6年)死去。
• 11光盛（?-1759）<>：仁和寺最勝院を兼務。1759年(宝暦9年)死去。
• 12賢盛（?-1756）<>：入寺せず。1756年(宝暦6年)12月、後継者に決まるが、翌年死去。
• 13覚雅（?-1766）<>：1766年(明和3年)死去。
• 14淳盛（?-1796）<>：賢盛の甥。1766年(明和3年)12月15日入寺。1796年(寛政8年)死去。
• 15隆尊（?-1791）<>：武蔵国出身。1752年(宝暦2年)高野山に学ぶ。のち高野山知足院。1781年(天明1年)から高野山江戸番所。1782年(天明2年)東泉院住職。1791年(寛政3年)死去。
• 16尊淳（?-1815）<>：1815年(文化12年)死去。
• 17隆応（?-1819）<>：1819年(文政2年)死去。
• 18慈舩（?-1864）<>：護摩堂などの伽藍や下方五社の社殿を整備。1864年(元治1年)死去。
• 19義厳（?-1832）<>：富士山本宮浅間大社別当の宝幢院の住職。1832年(天保3年)死去。
• 20義勝（?-1851）<>：高野山で学ぶ。1851年(嘉永4年)死去。
• 21蘂雄（?-1886）<>：出雲国神門郡出身。醍醐寺報恩院、仁和寺真乗院、高野山で学ぶ。1850年(嘉永3年)4月に東泉院に入寺。1868年(明治1年)還俗して神職となり六所良邑を名乗る。同年8月、白川家に入門。東泉院歴代に霊神号を贈り、御霊屋に祀った。1886年(明治19年)10月23日死去。

（[1]）

資料

• 『六所家総合調査だより』[2]