米沢・法音寺

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-）

法音寺（ほうおんじ）は、山形県米沢市にある、上杉謙信をはじめとする米沢藩上杉家の菩提寺の真言宗寺院。上杉家墓地が隣接する。善光寺遷座旧跡。本尊は大日如来。真言宗豊山派。大覚寺門跡の院室兼帯寺院。（参考 同名寺院法音寺）

歴史

発祥は越後八海山信仰の拠点であった南魚沼・法音寺で、米沢に移った現在も「八海山」を山号とする。上杉謙信により、越後の春日山城に遷されて、上杉家の菩提寺となった。江戸時代に上杉家が米沢に転封となると当寺も米沢城二の丸に移された。二の丸には、謙信の遺骸を奉安する御堂の祭祀を司る真言宗21寺があり、その筆頭寺院だった。明治維新で、米沢城が廃城となると、上杉家墓地の隣接地に移転した。御堂に合祀されていた、謙信ゆかりの泥足毘沙門天と善光寺如来が当寺に遷された（米沢市の解説板によると、善光寺如来は昭和9年に上杉家から納められた）。