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紫衣勅許寺院
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
紫衣勅許寺院
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'''紫衣下賜寺院'''は、天皇から歴代住職が紫衣を着用することを許可された寺院。多くの[[国家仏教]]制度と同じく、中国から輸入されたもの。基本的には僧侶個人に与えるものだが、その地位に付随することが多くなった。 本来は朝廷の権限だが、江戸時代には徳川幕府により厳しく統制された。そのためか近世に新たに許可された寺院は[[徳川家]]ゆかりの[[浄土宗]]寺院が多いようだ。宗派によって位置付けに差があり、浄土宗では多数の寺院が認められたが、近世の曹洞宗では[[永平寺]]と[[総持寺]]の住職のみ認められた。[[青蓮院門跡]]が各宗派の紫衣を管轄したともいうが不詳。 ==歴史== ===中国=== *則天武后が法朗ら9人に下賜。紫衣の初例。 *宋代の真宗皇帝、日本天台僧の寂照に紫衣を下賜。 *宋代の太宗皇帝、日本三論僧の[[奝然]]に紫衣を下賜。 *宋代との神宗皇帝、日本天台僧の成尋に紫衣を下賜。 ===日本=== *735年:聖武天皇、玄昉に紫袈裟を下賜。紫袈裟の初例。 *延喜式で御斎会の法服を講師は浅紫綾と定める *1141年8月:鳥羽上皇、青蓮院行玄に紫の法衣(紫袍)を賜う。紫袍の初例。 *1613年:徳川幕府、「勅許紫衣法度」を制定。 *1615年:徳川幕府、「禁中並公家諸法度」を制定。 *1627年:紫衣事件。 *1629年:紫衣事件で沢庵ら配流。 *1869年9月:維新政府は「永宣旨」停止を達したので、宣旨綸旨類は法的根拠を失い、紫衣勅許も無効となった。 == 一覧 == ===紫衣法度=== *[[大徳寺]]:文安年間(1444-1449)頃から歴代紫衣。紫衣事件。 *[[妙心寺]]:紫衣事件。 *[[知恩院]] *[[知恩寺]] *[[清浄華院]]:1558年紫衣。 *[[泉涌寺]]: *[[粟生光明寺]]:1655年常紫衣。 *[[金戒光明寺]]:1610年、紫衣。 ===三上人=== *[[慶光院]]:代々紫衣。 *[[善光寺大本願]]:代々紫衣。 *[[熱田・誓願寺]]: ===曹洞宗=== *[[永平寺]]:1539年10月7日、後奈良天皇の綸旨で紫衣の出世道場だと再確認。 *[[総持寺]]:後醍醐天皇より紫衣。 *[[陸奥・正法寺]]:1616年の曹洞宗法度まで末代まで紫衣紅服。 ===浄土宗=== *[[立政寺]]:1391年代々紫衣着用許可を得た。 *[[三河・大林寺]]:宝永7年(1710)7月26日、常紫衣綸旨を賜った。 *[[三鈷寺]]:1362年(正平17年/貞治1年)10月3日、後光厳天皇の綸旨で「浄土西山流根本地」とされ、住職は代々紫衣を着用し参内すると定められた。その綸旨が現存する。 *[[浅草誓願寺]]:1698年(元禄11年)用誉龍岳国龍は常紫衣を許可された。 *[[英勝寺]]:1643年、常紫衣の宣旨が下った。 *[[三河・妙心寺]]:元禄9年、常紫衣の綸旨を参内して賜る(甲子夜話)。 *[[飯沼・弘経寺]]:1634年、常紫衣の綸旨。 *[[増上寺]]:慶長4年、紫衣。慶長13年常紫衣の綸旨 *[[常陸・常福寺]]:1677年、徳川光圀の奏達で常紫衣。 *[[善導寺]]:元和9年、常紫衣の綸旨(寛延記)。 *[[大光院]]:1622年、常紫衣。 *[[伝通院]]:1615年に常紫衣の綸旨を得た。 *[[法然寺]]:1775年、永代紫衣(和漢三才図会)。 *[[鎌倉光明寺]]:1495年、後土御門天皇から代々紫衣の綸旨(文書)。 *[[勝願寺]]:1606年8月23日、後陽成天皇より紫衣綸旨(寺蔵文書)。以後代々。 *[[江戸・天徳寺]]:紫衣。江戸名所図会 ===臨済宗=== *[[大聖寺]]: *[[高源寺]]:一華碩由の時代に末代紫衣の宣旨(寺蔵文書)。 *[[霊源寺]]:常紫衣 *[[興聖寺]]:東山天皇が1701年に常紫衣とする(坊目誌) *[[松応寺]]:寛永11年3月27日、常紫衣の綸旨 *[[永源寺]]:後奈良天皇、「紫衣の出世道場」て天龍寺と同格とする。 *[[常陸・法雲寺]]:江戸時代は代々紫衣。 ===日蓮宗=== *[[久遠寺]]: *[[肥後・本妙寺]]:熊本県熊本市西区花園。日蓮宗。1605年(慶長10年)、後陽成天皇の勅願寺となり1606年(慶長11年)永代紫衣を許された(日本歴史地名大系)。 *[[瑞龍寺門跡]]: *[[池上本門寺]]:1725年12月3日、中御門天皇から永代紫衣綸旨(旧蔵文書)。 *[[天妙国寺]]:日延が中興の時に紫衣を賜り、永規となす(江戸名所図会) ===その他=== *[[筑西・新善光寺]]:1412年、後小松上皇が代々紫衣の綸旨。 *[[佐太来迎寺]]:後村上天皇から常紫衣。戦乱で綸旨を焼失したため、1706年、再度常紫衣の綸旨。 *[[当道座]]検校:紫衣を着用したという。[[京都・安養寺]]が起源に関わる? ==未確認== 常紫衣、または一代紫衣と思われるが未確認 *[[三河・円福寺]]:元は京都。1661年紫衣。 *[[景愛寺]] *[[清浄華院]]:1558年紫衣。 *[[金戒光明寺]]:1610年、紫衣 *[[大樹寺]]:慶長11年、後陽成天皇から紫衣 *[[妙顕寺]]: *[[国泰寺]]:嘉暦2年、後醍醐天皇より紫衣。 *[[誓願寺]]:1619年紫衣。 *[[退休寺]]:1386年、後小松天皇紫衣。 *[[大阿弥陀経寺]]:後村上天皇、紫衣。 *[[肥後・大慈寺]]:1294年3月10日、伏見天皇より紫衣綸旨(大慈寺文書)。 *[[大念仏寺]]:1694年紫衣。 *[[徳雲寺]]:4-8世は紫衣。 *[[龍光寺]]:1554年、後奈良天皇紫衣綸旨 *[[遠江・方広寺]]:1864年、孝明天皇から紫衣。 *[[宝台院]]:1628年、後水尾天皇、紫衣。 *[[尾張・曼陀羅寺]]:開山以来、紫衣着用だったが、1492年の火災で綸旨が焼失し断然。1541年、香衣綸旨を後奈良天皇より得たが紫衣綸旨は得られなかった。 ==琉球== *[[琉球・護国寺]]: *[[臨海寺]]: [[Category:系譜記事]]
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