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豊原神社

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2020年3月2日 (月)

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豊原神社拝殿

豊原神社(とよはら・じんじゃ)は樺太庁豊原支庁豊原市豊原北にあった神社。祭神は天照皇大神豊受大神明治天皇昭憲皇太后県社北海道・樺太の神社。境内に樺太護国神社の前身となる豊原招魂社があった。廃絶。

目次

祭神

豊原神社本殿
  • 天照皇大神(天照大神)
  • 豊受大神
  • 明治天皇
  • 昭憲皇太后

『樺太庁施政三十年史』によると「三座四柱」とある。1916年(大正5年)の祭神増加前後の違いは不詳。

歴史

豊原駅の東北に豊原神社と豊原招魂社があった

黒住教布教師による創建

黒住教の布教師が創建したという点で特徴的である。1907年(明治40年)7月、黒住教樺太派出布教師の伴雄三郎(1873-1942)という人物がウラジミロフカ(豊原)に移住。「天照大御神の大道」を宣教した結果、豊原町西一条南3丁目に土地の寄進を受け、1908年(明治41年)7月11日、斎殿・拝殿・鳥居などを設け、天照大御神を祀り、神宮遙拝所と称した。1909年(明治42年)、豊原地方の氏神として神社への「引直し」を申請。1910年(明治43年)8月31日に正式な神社として創立許可を得た。10月17日、樺太庁長官、豊原支庁高官が出席して創立記念大祭を営んだ。例祭は6月16日とされた。 1911年(明治44年)8月22日、豊原の東郊に官幣大社樺太神社が鎮座すると、豊原神社は樺太神社の御旅所となり、1913年(大正2年)8月23日から神輿渡御が行われた。

大正の造営

1915年(大正4年)10月2日、町民会が御大典記念事業として豊原北に移転遷座を決定。1918年(大正7年)12月竣工し、23日、遷座祭を行った。 1916年(大正5年)9月、祭神増加許可を受け、10日に祭神増加の鎮座祭を行った。 1917年(大正6年)7月12日(1921年(大正10年)とも)、豊原招魂社(樺太招魂社、樺太護国神社)が境内に遷座。 1922年(大正11年)4月1日、樺太町村制施行により神饌幣帛料供進神社となる。1928年(昭和3年)11月5日、県社列格。『神道史大辞典』には県社列格は「1909年(明治42年)8月」とあるが誤りか。「1928年(昭和3年)11月5日」は『北海道神社庁誌』『昭和13年樺太年鑑』による。 1935年(昭和10年)10月15日(1934年(昭和9年)とも)、境内の樺太招魂社が樺太神社の南に遷座。 1936年(昭和11年)の時点で豊原神社の境内地は5118坪だった。

ソ連軍侵攻による廃絶

1947年(昭和22年)1月10日、社司黒田盛貞は引揚と共に密かに函館に御霊代を奉遷、翌日、音江神社に合祀(『樺太の神社』)。

組織

社司

  • 伴雄三郎(1873-1942)<>:金沢藩士の子。1897年(明治30年)逓信省入省。1903年(明治36年)、神宮奉斎会本院の礼部補となる。日露戦争で陸軍省雇員となり従軍。各地で招魂祭を行った。東京に帰還後、1906年(明治39年)11月、黒住教権訓導となる。函館中教会所に奉仕。1907年(明治40年)6月、黒住教管長の許可を得て自費にて樺太開教に従事。7月渡航。12月、樺太守備隊に進言して招魂祭を介助。12月14日、ウラジミロフカ(豊原)に黒住教開教仮事務所を開設。1908年(明治41年)1月8日、大泊に出張して表忠碑の除幕式と招魂祭を行った。同年、社殿を造営。1910年(明治43年)8月、豊原神社創立の許可を受けると教会所の468坪と建物を譲渡した。10月、豊原神社社掌に任命。樺太初の神職任命となる。1908年(明治41年)9月には樺太神社創建の請願のために上京。1910年(明治43年)5月、樺太庁の造営地内取締員となり、1911年(明治44年)8月22日の樺太神社鎮座祭を奉仕。樺太神社出仕嘱託、雇員を1918年(大正7年)7月まで務めた。1916年(大正5年)5月には神職養成部を卒。1928年(昭和3年)の豊原神社県社昇格と共に豊原神社社司となる。1942年(昭和17年)12月24日死去。
  • 伴与四郎()<>:1943年(昭和18年)1月26日豊原神社社司。
  • 黒田盛貞()<>:1978年(昭和53年)8月17日死去。
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