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頭塔
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
2018年7月28日 (土) 時点におけるWikiSysopKARASUYAMA (トーク | 投稿記録)による版
頭塔(ずとう)は、奈良県奈良市にある仏塔。32m四方の石積基壇の上に7段の石積みが重なる。高さは基壇を含め約10m。奇数段には石仏が祀られていた。頂上部には江戸時代のものとみられる五輪塔が置かれている。各層には瓦葺き屋根があった。
平城京の四条大路を東に延長した位置にある。西には元興寺、東には新薬師寺がある。 7段となったのは後世の改修によるもので、当初は4段だった。その外側を覆うように現在の石積みがある。
頂上には心柱跡がある。
石仏は東西南北の各面に11基、合計44基があった。 28基が現存し、25基に尊像の浮彫・線刻が確認された。1基は郡山城(大和郡山市)石垣に転用された。
第一段と第七段の各面中央にある石仏が注目される。 第一段では東面が多宝仏浄土、西面が阿弥陀浄土、南面が釈迦浄土、北面が弥勒浄土を描く。 一方、第七段では盧遮那仏浄土が描かれており(北面と西面のみ現存)、四方四仏に対して盧遮那仏が上位にあるとの主張を示すと考えられている。
767年の建立。
1987年から1998年まで奈良国立文化財研究所が調査した。
樹木が繁茂する南東部を除く各面が復元された。 ただし、瓦屋根は石仏の保護のために作られ、復元されてはいない。 当初は石仏上部だけでなく、石積み全体に瓦屋根が架けられていたと考えられている。
(現地解説板)