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二上の岩屋

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2025年9月14日 (日)

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==二上岩屋大念仏==
==二上岩屋大念仏==
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中世の修験道当山派では毎年9月25日に「二上岩屋大念仏」という行事が行われた。『大峰当山本寺興福寺東金堂先達記録』に行事の記述がある。[[大峰]][[葛城]]の入峰修行の成就を祝うもので、一度帰寺してから再び集まったらしい。「悦酒」とあり、行事に用いられる菜汁などの品目が挙げられ、宴席が眼目だったのだろう。頭役を[[興福寺]]、六大寺、東郷、西郷、伊賀、和泉、河内、摂津の8者が交代で務めた。「三ケ寺」が事務方を担っている。
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中世の[[修験道]][[当山派]]では毎年9月25日に「二上岩屋大念仏」という行事が行われた。『大峰当山本寺興福寺東金堂先達記録』に行事の記述がある。[[大峰]][[葛城]]の入峰修行の成就を祝うもので、一度帰寺してから再び集まったらしい。「悦酒」とあり、行事に用いられる菜汁などの品目が挙げられ、宴席が眼目だったのだろう。頭役を[[興福寺]]、六大寺、東郷、西郷、伊賀、和泉、河内、摂津の8者が交代で務めた。「三ケ寺」が事務方を担っている。
六大寺は[[東大寺]]、[[元興寺]]、[[法隆寺]]、[[大安寺]]、[[薬師寺]]、[[唐招提寺]]のこと。東郷西郷は不詳。1293年から1377年までの頭役の記録が『勝尾寺文書』753号に列記されている。また1385年、頭役の[[勝尾寺]]が「三ケ寺」に費用を納めた領収書の文書が『勝尾寺文書』769号に納められている。
六大寺は[[東大寺]]、[[元興寺]]、[[法隆寺]]、[[大安寺]]、[[薬師寺]]、[[唐招提寺]]のこと。東郷西郷は不詳。1293年から1377年までの頭役の記録が『勝尾寺文書』753号に列記されている。また1385年、頭役の[[勝尾寺]]が「三ケ寺」に費用を納めた領収書の文書が『勝尾寺文書』769号に納められている。
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「三ケ寺」は『勝尾寺文書』769号に記載される[[向谷寺]]、[[高尾寺]]、[[当麻寺]]とみられ、いずれも二上山の近くにある。「三ケ寺行衆」とも呼ばれた。この行事だけでなく当山派教団の事務方を担っており、興福寺両堂行衆、三ケ寺行衆、[[松尾寺]]、諸寺諸山の山伏の順番で情報伝達をされた事例が『東金堂細々要記』の1366年4月2日条にある。
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「三ケ寺」は『勝尾寺文書』769号に記載される[[向谷寺]]、[[高尾寺]]、[[当麻寺]]とみられ、いずれも二上山の近くにある。「三ケ寺行衆」とも呼ばれた。この行事だけでなく当山派教団の事務方を担っており、興福寺両堂行衆、三ケ寺行衆、[[大和・松尾寺]]、諸寺諸山の山伏の順番で情報伝達をされた事例が『東金堂細々要記』の1366年4月2日条にある。
(徳永誓子1998「修験道当山派と興福寺堂衆」)
(徳永誓子1998「修験道当山派と興福寺堂衆」)
[[category:大阪府]]
[[category:大阪府]]

2025年9月14日 (日) 時点における最新版

二上の岩屋は、葛城山系の二上山の南、大阪府南河内郡太子町の岩屋峠にある石窟寺院。二つの石窟が残る。三重石塔や磨崖仏もある。「世親の岩屋」とも。近くに鹿谷寺もある。

二上岩屋大念仏

中世の修験道当山派では毎年9月25日に「二上岩屋大念仏」という行事が行われた。『大峰当山本寺興福寺東金堂先達記録』に行事の記述がある。大峰葛城の入峰修行の成就を祝うもので、一度帰寺してから再び集まったらしい。「悦酒」とあり、行事に用いられる菜汁などの品目が挙げられ、宴席が眼目だったのだろう。頭役を興福寺、六大寺、東郷、西郷、伊賀、和泉、河内、摂津の8者が交代で務めた。「三ケ寺」が事務方を担っている。

六大寺は東大寺元興寺法隆寺大安寺薬師寺唐招提寺のこと。東郷西郷は不詳。1293年から1377年までの頭役の記録が『勝尾寺文書』753号に列記されている。また1385年、頭役の勝尾寺が「三ケ寺」に費用を納めた領収書の文書が『勝尾寺文書』769号に納められている。

「三ケ寺」は『勝尾寺文書』769号に記載される向谷寺高尾寺当麻寺とみられ、いずれも二上山の近くにある。「三ケ寺行衆」とも呼ばれた。この行事だけでなく当山派教団の事務方を担っており、興福寺両堂行衆、三ケ寺行衆、大和・松尾寺、諸寺諸山の山伏の順番で情報伝達をされた事例が『東金堂細々要記』の1366年4月2日条にある。 (徳永誓子1998「修験道当山派と興福寺堂衆」)

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