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建功神社

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2024年2月16日 (金)

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斬新な建築様式は神社にふさわしいのかどうか議論を呼んだ

建功神社(けんこう・じんじゃ)は、日本領台湾の台北州台北市にあった戦没者を祀る招魂社。祭神は「明治二十八年改隷以降台湾に於ける戦死者、準戦死者、殉職者、準殉職者」[1]。 無格社[2]。特殊な建築様式で建てられた。のち別に台湾護国神社が建てられた。廃絶。

目次

祭神

靖国神社など内地の招魂社と合祀対象が大きく異なっていたことが知られる(のちに台湾護国神社が別に建てられたのはそのためだろうか)

  • 1万5350柱[3]
  • 1万5794柱[4]
  • 1万5691柱[5]
  • 1万6019柱[6]
  • 1万6802柱[7]:1934年(昭和9年)4月現在
  • 祭神一覧表1934年(昭和9年)4月現在[8]
  • 祭神の種別[9]

社格

無格社。実態としては招魂社であり、台湾総督府として内地の官祭招魂社に相当するものと認識していたようだが、申請に認可が降りなかったと考えられている(池山弘2010)。「社掌」を置いていたのも官祭招魂社ではないことを示す(社掌を置く無格社も異例と思われる)。軍部主導ではなく、民政(台湾総督府)主導で建てられた点も注目され(池山弘2010)、靖国神社やその後の護国神社とは異なる。

歴史

台湾施政30周年記念に創建。

  • 1926年(昭和1年)4月30日:地鎮祭[10]
  • 1927年(昭和2年)7月:起工[11]
  • 1928年(昭和3年)1月12日:建功神社創立(台湾総督府告示9号[12]
  • 1928年(昭和3年)3月31日:上棟式[13]
  • 1928年(昭和3年)4月21日:「建功神社合祀者資格審査会規程」を制定(台湾総督府訓令第35号[14]
  • 1928年(昭和3年)6月9日:鎮座祭を7月14日とし、臨時例祭を7月15日に行うことを定める(台湾総督府告示第74号[15])。また例祭日を4月30日と定める(台湾総督府第75号[16])。
  • 1928年(昭和3年)7月10日:鎮座祭・臨時例祭の祭式と祝詞を定める(台湾総督府令第42号・第43号[17]
  • 1928年(昭和3年)7月11日:清祓[18]
  • 1928年(昭和3年)7月12日:新殿祭[19]
  • 1928年(昭和3年)7月14日:鎮座。台北郵便局および同局鎮座祭式場臨時出張所では記念消印を使用した(台湾総督府告示第88号・第89号[20])。


組織

社掌

  • 1山口透(1856-1938)<>:台湾神社宮司として兼務。
  • 豊福長人()<>:
  • 多田忠助()<>:
  • 今井春男()<>:

[21]

  • 佐藤文一郎[22]

画像

資料

  • 1928『建功神社誌』:書誌[23]
  • 1940『建功神社誌』
  • 曽根朝起1931「台湾の建功神社を観る1・2」『神社協会雑誌』30-4・7
  • 井手薫1932「建功神社の建築様式について」『台湾建築会誌』第4輯第1号
  • 1933「建功神社に合祀される警官」『日本警察新聞』1933年(昭和8年)2月10日付[24]
  • 小笠原省三1933「特色ある台湾の神社」[25]
  • 黄蘭翔1994「植民官僚の建築事例」『台湾都市の文化的多重性とその歴史的形成過程に関する研究』[26]
  • 黄土娟2002「建功神社(台湾)―物言わぬ歴史の証人」『建築雑誌』1494[27](有料)
  • 池山弘2010「台湾総督府による台湾統治・建設死没者の建功神社(台北市)合祀問題―日清戦争従軍軍役夫の処遇を中心にして」[28]
  • 池山弘2012「台湾総督府による建功神社合祀基準内規の改正(昭和10年2月)問題―台湾総督府公文類纂及び『台湾日日新報』紙記事の分析」[29]
  • 檜山幸夫2018「建功神社の祭神と台湾総督府―文書管理と人事管理のアーカイブス的問題」『近代中国研究彙報』40
http://shinden.boo.jp/wiki/%E5%BB%BA%E5%8A%9F%E7%A5%9E%E7%A4%BE」より作成

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