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武内宿禰旧跡
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2023年5月6日 (土)
(武内宿祢から転送)
武内宿禰(たけうちのすくね、たけのうちのすくね、たけしうちのすくね)は大和朝廷初期の神話的な人物。紀氏の祖。孝元天皇の孫あるいは曽孫。景行天皇、成務天皇、仲哀天皇、応神天皇、仁徳天皇の大臣を務めたという。中でも仲哀天皇死後の神功皇后の治世下で、忍熊王を破って応神天皇を即位させた事蹟が著名。紀氏の他、波多氏、巨勢氏、蘇我氏、平群氏、葛城氏の祖。『公卿補任』には享年295歳と記される。建内宿禰。善神王。
信仰的には応神天皇との関係の強さから、応神天皇と同一視される八幡神に仕える眷属神としての性格を持つ。大規模な八幡宮には武内社として祀られることもしばしば。同じく八幡神に関係深い高良玉垂命と同一視する説もある。また賀来神社祭神の善神王ともいう。白髭神社祭神とされることも。
射水神社を建てた伊弥頭国造も武内宿禰の末裔(蘇我氏系?)という。 巨勢氏の末裔に京大工頭として江戸時代に活躍した中井家がいる。 大名では長岡藩主などを務めた牧野家が武内宿禰の末裔を称す。
目次 |
一覧
系統
- 善神王神社:大分県内に限って武内宿禰を善神王と呼び、善神王神社という神社が分布するようだ。あるいは阿蘇神も含むとも。善神王宮、善神王社とも。善神王祭という行事も分布している。「善神」という文言は護法善神や大般若経十六善神などにみられ、「善神王」は『般若守護十六善神王形体』という名前の経典があるが関連はよく分からない。(二宮好雄1956「賀来善神王について」[1])
奉斎神社
- 宇倍神社:鳥取県鳥取市国府町宮下。祭神は武内宿禰。武内宿禰が草履を残して昇天した跡とされる磐座「双履石」がある。式内社・名神大社・因幡国一宮・国幣中社・別表神社。
- 高良大社:福岡県久留米市御井町。式内社・名神大社・筑後国一宮・国幣大社・別表神社。
- 津島神社弥五郎殿社:津島神社摂社。祭神は大穴牟遅命・武内宿禰命。武内宿禰は社家の紀氏氷室家の祖。南朝武将として戦死した社家の堀田正泰(弥五郎)が造営したためこの名がある。
- 土津神社:福島県耶麻郡猪苗代町美禰山。祭神は土津霊神(保科正之)と武内宿禰。なぜ武内宿禰が合祀されたかは不明。県社。
- 和泉・桜井神社:大阪府堺市南区片蔵。現在は八幡神を祭神とするが、元は武内宿禰とも。府社。
- 武雄神社:佐賀県武雄市武雄町武雄。祭神は武内宿禰・仲哀天皇・応神天皇・神功皇后・武雄心命。
- 長門・住吉神社:山口県下関市一の宮東町。官幣中社。第一殿に表筒男命・中筒男命・底筒男命の荒魂を祀り、第二殿に応神天皇、第三殿に武内宿禰命、第四殿に神功皇后、第五殿に建御名方命を祀る。
- 多気神社・坂本神社:高知県安芸郡奈半利町乙。多気神社は武内宿禰。坂本神社は葛城襲津命。郷社。
- 波太神社:大阪府阪南市。
- 日置神社:滋賀県高島市今津町酒波。祭神に武内宿禰を含む。官社。郷社。
- 織幡神社:福岡県宗像市鐘崎。県社。主祭神は武内大臣・住吉大神・志賀大神。
旧跡
- 生誕地:松原・武内神社。和歌山県和歌山市松原。安原八幡神社の奥宮。武内宿禰誕生井がある。
- 昇天地:宇倍神社双履石。鳥取県鳥取市国府町宮下。
- 墓所:高良大社奥宮。福岡県久留米市御井町。
- 墓所:武内宿禰墓 室伝承地:奈良県御所市室。
- 墓所:武内宿禰墓 隅田伝承地:和歌山県橋本市隅田町。
- 墓所:玉垂宮:福岡県久留米市大善寺町宮本。県社。
親族
- 波多八代:長子。波多氏の祖。羽田八代。波多神社
- 許勢小柄:巨勢氏の祖。
- 平群木菟宿禰:平群氏の祖。末裔に太宰府天満宮を創建した味酒安行がいる。
- 蘇我石川宿禰:蘇我氏の祖。
- 木角宿禰:紀氏の祖。
- 葛城襲津彦:葛城氏の祖。