ようこそ『神殿大観』へ。ただいま試験運用中です。 |
安須森御嶽
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2018年11月11日 (日)
(版間での差分)
(ページの作成:「琉球開闢九御嶽の一つ。 category:沖縄県」) |
|||
1行: | 1行: | ||
- | [[琉球開闢九御嶽]] | + | '''安須森御嶽'''(あすもり・うたき、アシムイ・ウタキ)は沖縄県国頭郡国頭村辺戸にある御嶽。[[琉球開闢九御嶽]]の一つ。琉球の創世神アマミキョが天降りして最初に祭った御嶽とされる。宜野久瀬嶽、アオイの御嶽、チザラ嶽などの総称。'''辺戸御嶽'''、'''黄金森'''(フガニムイ)ともいう。 |
+ | |||
+ | == 境内 == | ||
+ | 岩肌をむき出しにした四つの峰とその周辺から成る。南からシヌクシ嶽、アフリ嶽、チザラ嶽(シチャラ嶽)、イヘヤ嶽の四峰が並ぶ。南の3峰は鞍部でつながり、イヘヤ嶽はやや独立しているような印象を受ける。数多くのオモロで古くから歌われてきた。 | ||
+ | |||
+ | *登拝道:参道入口を入ってしばらく登ったところに二つの拝所がある。由緒は不詳だが近年のものという。「黄金山」という石碑がある。登拝道の途中に「阿摩美久」と刻んだ碑が近年置かれたがここも拝所になった。 | ||
+ | *宜野久瀬嶽(ぎのくせだけ、シヌクシタキ):シヌクシ嶽の山頂直下の巨岩の左右に一対の洞窟があり、『琉球国由来記』にある宜野久瀬嶽とされる。神名は「カネツ御イベ」という。黄金洞(フガニガマ)とも呼ばれる。 | ||
+ | *アオイの御嶽:アフリ嶽の頂上近くにある御嶽。『琉球国由来記』にあるアオイの御嶽という。神名は「カンナカナノ御イベ」。ただし登拝道は現在失われているという。アフリ嶽の裾野にある辺戸集落の小高い森があり、ウガミと呼ばれ、集落の拝所となっている。辺戸公民館の南西の丘陵にある。 | ||
+ | *チザラ嶽(シチャラ嶽):神名は「スデル御イベ」。 | ||
+ | *アフリ川(大川?):古くはこの麓を流れるアフリ川から、国王と[[聞得大君]]のための若水を汲んだ。国家祭祀の対象となった。 | ||
+ | *[[義本王陵]]:麓にある。 | ||
+ | |||
+ | (『沖縄の聖地―拝所と御願』) | ||
[[category:沖縄県]] | [[category:沖縄県]] |
2018年11月11日 (日) 時点における最新版
安須森御嶽(あすもり・うたき、アシムイ・ウタキ)は沖縄県国頭郡国頭村辺戸にある御嶽。琉球開闢九御嶽の一つ。琉球の創世神アマミキョが天降りして最初に祭った御嶽とされる。宜野久瀬嶽、アオイの御嶽、チザラ嶽などの総称。辺戸御嶽、黄金森(フガニムイ)ともいう。
境内
岩肌をむき出しにした四つの峰とその周辺から成る。南からシヌクシ嶽、アフリ嶽、チザラ嶽(シチャラ嶽)、イヘヤ嶽の四峰が並ぶ。南の3峰は鞍部でつながり、イヘヤ嶽はやや独立しているような印象を受ける。数多くのオモロで古くから歌われてきた。
- 登拝道:参道入口を入ってしばらく登ったところに二つの拝所がある。由緒は不詳だが近年のものという。「黄金山」という石碑がある。登拝道の途中に「阿摩美久」と刻んだ碑が近年置かれたがここも拝所になった。
- 宜野久瀬嶽(ぎのくせだけ、シヌクシタキ):シヌクシ嶽の山頂直下の巨岩の左右に一対の洞窟があり、『琉球国由来記』にある宜野久瀬嶽とされる。神名は「カネツ御イベ」という。黄金洞(フガニガマ)とも呼ばれる。
- アオイの御嶽:アフリ嶽の頂上近くにある御嶽。『琉球国由来記』にあるアオイの御嶽という。神名は「カンナカナノ御イベ」。ただし登拝道は現在失われているという。アフリ嶽の裾野にある辺戸集落の小高い森があり、ウガミと呼ばれ、集落の拝所となっている。辺戸公民館の南西の丘陵にある。
- チザラ嶽(シチャラ嶽):神名は「スデル御イベ」。
- アフリ川(大川?):古くはこの麓を流れるアフリ川から、国王と聞得大君のための若水を汲んだ。国家祭祀の対象となった。
- 義本王陵:麓にある。
(『沖縄の聖地―拝所と御願』)