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油日神社
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
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[[聖徳太子]]の創建と伝える。『三代実録』によると元慶元年(877)に従五位下となる。中世に発展したらしく、室町時代の本殿、楼門、廻廊、桃山時代の拝殿がある。戦国時代末期には「甲賀郡中惣」と呼ばれる甲賀郡を統治する地侍の連合自治組織の会議が境内で開かれた。別当は金剛寺(油日寺)で江戸時代には子院として光明院・成就院・照養院・灯明坊・善応寺があった。いずれも[[天台宗]]だったが、神宮寺(金剛寺?)は[[浄土宗]]となる。5年ごとの[[式年祭]]の「奴振」という神事がある。油日岳の山頂には経塚もある。 | [[聖徳太子]]の創建と伝える。『三代実録』によると元慶元年(877)に従五位下となる。中世に発展したらしく、室町時代の本殿、楼門、廻廊、桃山時代の拝殿がある。戦国時代末期には「甲賀郡中惣」と呼ばれる甲賀郡を統治する地侍の連合自治組織の会議が境内で開かれた。別当は金剛寺(油日寺)で江戸時代には子院として光明院・成就院・照養院・灯明坊・善応寺があった。いずれも[[天台宗]]だったが、神宮寺(金剛寺?)は[[浄土宗]]となる。5年ごとの[[式年祭]]の「奴振」という神事がある。油日岳の山頂には経塚もある。 | ||
- | + | 祭神の油日神の由来については不詳。天忍日命とする説もある。伊賀国の[[宇都可神社]]との関連を指摘する説もある。猿田彦命は摂社白鬚神社の祭神、罔象女命は摂社岳神社(奥宮)の配祀神。 | |
- | + | 境内に八幡常松神社、祖霊殿がある。摂社白鬚神社は西方の丘陵にあり本社と同時に創建と伝える。油日岳山頂にある奥宮の摂社岳神社は油日神の荒魂と罔象女命を祀る。罔象女命は水分神の意味合いがあるか。40年目の式年造営を行うという。 | |
(日本歴史地名大系、国史大辞典、油日神社ウェブサイト) | (日本歴史地名大系、国史大辞典、油日神社ウェブサイト) | ||
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2018年4月26日 (木) 時点における版
油日神社(あぶらひ・じんじゃ)は、滋賀県甲賀市甲賀町油日にある神社。祭神は油日神。猿田彦命]・罔象女命を配祀する。国史見在社。県社。神体山とされる油日岳(694m)の頂上に奥宮の摂社岳神社がある。
歴史
聖徳太子の創建と伝える。『三代実録』によると元慶元年(877)に従五位下となる。中世に発展したらしく、室町時代の本殿、楼門、廻廊、桃山時代の拝殿がある。戦国時代末期には「甲賀郡中惣」と呼ばれる甲賀郡を統治する地侍の連合自治組織の会議が境内で開かれた。別当は金剛寺(油日寺)で江戸時代には子院として光明院・成就院・照養院・灯明坊・善応寺があった。いずれも天台宗だったが、神宮寺(金剛寺?)は浄土宗となる。5年ごとの式年祭の「奴振」という神事がある。油日岳の山頂には経塚もある。
祭神の油日神の由来については不詳。天忍日命とする説もある。伊賀国の宇都可神社との関連を指摘する説もある。猿田彦命は摂社白鬚神社の祭神、罔象女命は摂社岳神社(奥宮)の配祀神。 境内に八幡常松神社、祖霊殿がある。摂社白鬚神社は西方の丘陵にあり本社と同時に創建と伝える。油日岳山頂にある奥宮の摂社岳神社は油日神の荒魂と罔象女命を祀る。罔象女命は水分神の意味合いがあるか。40年目の式年造営を行うという。
(日本歴史地名大系、国史大辞典、油日神社ウェブサイト)