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二尊院
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
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二尊院(にそんいん)は京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町(山城国葛野郡)にある天台宗系・浄土宗系の寺院。本尊は釈迦如来と阿弥陀如来。中世、円密戒浄(天台・真言・戒律・浄土)の四宗兼学の寺院として発展したが、現在は天台宗延暦寺派。宮中御黒戸の祭祀を司った「御黒戸四箇院」の一つ。法然上人二十五霊場。二尊教院。華台寺。山号は小倉山。
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歴史
承和年間、嵯峨天皇の勅願で円仁が創建。鎌倉時代初期に法然が住したとされる。法然は二尊院で『授菩薩戒儀』(『新本戒儀』)を執筆し、湛空に授けたという。この書は現在も「伝宗伝戒道場」で使われているという。 1227年(安貞1年)、東山の法然の墓を襲撃されそうになった「嘉禄の法難」で法然の遺骸を一時奉安。法然の遺骸はのち粟生光明寺で火葬された後、1233年(天福1年)二尊院にも分骨された。現在の三帝陵が法然の墓ともいわれる。
応仁の乱で焼失。1521年(大永1年)三条西実隆の勧進で本堂再興。 1595年(文禄4年)熊谷直之が秀次事件に連座して二尊院で自害。 2016年(平成28年)本堂修復。
法然の「足曳きの御影」「七箇条制誡」を所蔵。
伽藍
- 本堂:1521年(大永1年)再建。2016年(平成28年)修復。
- 八社宮:伊勢神宮・松尾大社・愛宕神社・石清水八幡宮・熱田神宮・日吉神社・八坂神社・北野天満宮を合祀。
- 弁天堂:九頭龍大神と宇賀神を弁財天の化身として祀る。湛空が授戒した霊蛇という。
- 法然墓:
- 湛空廟:「廟」というが、「空公行状碑」の覆堂。湛空は事実上の二尊院中興。
- 三帝陵:嵯峨天皇、土御門天皇、後土御門天皇、後嵯峨天皇、亀山天皇の分骨を納める。
- 総門:1613年(慶長18年)伏見城の薬医門を移築。
子院
- 真葉院:廃絶。
- 浄金剛院:現在の天龍寺の地にあったが二尊院に移転。廃絶。
組織
歴代住職
資料
- 「二尊院住持次第」:16世まで掲載。伝記が詳しい。『蓮門宗派』所収[1]。2004『法然教団系譜選』に掲載。
- 「二尊院住持次第」:16世まで掲載。簡略。『柳原家記録』本[2]。
- 『二尊院縁起』:天文年間末の成立。元は絵巻だったが詞書のみ現存。『続群書類従』[3]、『大日本仏教全書』に掲載。
- 『二尊院縁起絵巻』:桃山時代に描かれた絵巻。
- 「三鈷寺廬山寺二尊院歴代」:二尊院22世まで掲載。鷲尾順敬旧蔵。
- 「嵯峨二尊院略譜」:1810年(文化7年)。30世まで掲載。法曼院真超書写。『続天台宗全書』圓戒2解題[4]を参照。
- 『二尊院文書』:『編年文書』所収[5][6][7]
- 『京都諸寺等文書目録』「二尊院」:[8]