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カイラス山
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
カイラス山
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'''カイラス山'''(Kailash)は、チベット西部にある聖なる山。[[チベット仏教]]、[[ヒンドゥー教]]、[[ボン教]]、[[ジャイナ教]]の聖地。'''カンリンポチェ山'''。[[マナサロワール湖]]、[[ティルタプリ]]と合わせて、[[カイラス三大聖地]]という。 ヒンドゥー教では最高神[[シヴァ]]の座所とされる。その妃[[パールヴァティー]]も住む。山は'''リンガ'''そのものとされる。ジャイナ教では開祖以前の23人の祖師の一人'''リシャバ'''が解脱を得て涅槃に入った場所とされる。インド仏教では人間が住む南瞻部州の北方、大雪山(ヒマラヤ)のさらに北にある'''香酔山'''として仏典に登場するが、チベット仏教では守護尊チャクラサンヴァラ(デムチョク、勝楽金剛、勝楽尊)、その妃ヴァジュラヴァーラーヒ(ドルジェパーモ、金剛亥母、金剛牝豚)が住む山とされる。ボン教では開祖シェンラプ・ミボが天から綱をつたって地上に降臨した場所という。 [[チュク・ゴンパ]]、[[ディラプク・ゴンパ]]、[[ズゥトゥプク・ゴンパ]]などの寺院もある。ブータン王国の支配下だった。文化大革命で破壊されたが80年代に再建。チュク・ゴンパは13世紀の創建。阿弥陀如来を祀り、カイラス山を代表する寺院。ディラプク・ゴンパ(ディラプール・ゴンパ)は13世紀の創建。ズゥトゥプク・ゴンパ(ズルフク・ゴンパ )は13世紀の創建で、伝説的な詩人ミラレバが開いたという。 南側にタルチェンという巡礼基地がある。ここからヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒、仏教徒は時計回り、ボン教徒は反時計回りに巡礼する。 == 巡礼路 == ===時計回り=== *タルチェン *セルシュンタルボチェ *ナロープンチュンの洞窟 *仏足石 *[[チュク・ゴンパ]] *拝所:テイジュン山を拝める。チベット人はこれをチャクラサンヴァラらの父母仏になぞらえる。その手前には十六羅漢と呼ばれる岩峰が並ぶ *黄金渓:河口慧海が呼んだ *ハヌマーンの岩 *ラーヴァナ山 *タムディン・ドゥンカン:馬頭観音を祀る祠 *仏足石 *[[ディラプク・ゴンパ]] *金剛手山:カイラス主峰に接する峰。 *観音山:カイラス主峰に接する峰。 *文殊山:カイラス主峰に接する峰。 *ダキニの巡礼路:13回目で初めて足を踏み入れることができるという *鳥葬場 *ドルマ峠:巡礼路の最高地点。ドルマ石という巨石にタルチョーが掛けられている。約5600m *ガウリークンド湖:エメラルドグリーンの湖。チベット人は「神々の沐浴場」(テューキズィンプ)と呼び、ヒンドゥー教徒は「女神ガウリー(パールヴァティーの化身)の池」(ガウリークンド)と呼ぶ。ガウリーの誕生地とも言われる。 *拝所 *薬師の石 *黒帽の石:カルマパが黒帽を残したという *イヒェキョン山:ガルダの山という *[[ズゥトゥプク・ゴンパ]]:ミラレパの洞窟の上に建てられている。ミラレパの像が祀られている *仏足石 *ダキニの舞踏場 *タンセルタンマル:鉱物・水・薬草などあらゆるものの財宝庫 *メンダンカルボ *タルチェン ===内陣巡礼路=== *タルチェン *セルルンゴンパ *リンチェンプン:宝積山。チベット人は五百羅漢、インド人はシヴァの騎獣雄牛ナンディ *カパラ湖 *カヴァリ湖 *仏足石 *ギャンタゴンパ *タルチェン ===その他=== *[[マナサロワール湖]] *[[ティルタプリ]] *ゴンボポンリ:ボン教の山。カイラス巡礼の往還に参拝する ==参考文献== *宮本久義 2003『ヒンドゥー聖地 思索の旅』山川出版社 [[category:中華人民共和国チベット自治区|*]]
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