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勝林院
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
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[[file:Kokudo0224.jpg|thumb|300px|勝林院(国土地理院空中写真より)]] '''勝林院'''(しょうりんいん)は京都府京都市左京区大原勝林院町(山城国愛宕郡)にある[[天台宗]]寺院。本尊は[[阿弥陀如来]]。[[天台宗延暦寺派]]。[[法然上人二十五霊場]]。'''大原別所'''、'''証拠阿弥陀堂'''とも呼ばれる。[[大原寺]]の下院の中心とされる。山号は魚山。 ==歴史== 1013年(長和2年)、寂源が大原に隠棲し、勝林院と称した(元亨釈書、〓嚢鈔)。 常行三昧を続けたら毘沙門天が降臨したという。 これ以前に835年(承和2年)、[[円仁]]が天台声明の根本道場として創建ともいう。 1018年(寛仁2年)、覚超と遍救を招いて法華八講を営んだ。 1020年(寛仁4年)には覚超と遍救が論争した。 声明の伝習の拠点としてだけでなく[[談議所]]としても発展した。 1186年(文治2年)秋、顕真が明遍、[[貞慶]]、[[重源]]、証真、智海、湛学と共に[[法然]]を招いて「勝林院の丈六堂」で大原問答を行った(法然上人伝記)。300人の聴衆が聞き入ったという。法然の主張が正しかった証拠として阿弥陀像が立ち上がったので本尊は「証拠の阿弥陀」と呼ばれるようになる。 1476年(文明8年)10月、内裏焼亡のため[[後花園天皇]]七回忌が勝林院に勅使が参向して行われた。この時の記録『魚山の御のり』が伝わる。 1490年(延徳2年)閏8月15日、天皇、勝林院の焼け残った観音小像を宮中に招いて叡覧。 1506年(永正3年)10月7日、勝林院と来迎院の間で対立があるが、勅して和解させる。 1659年(万治2年)4月21日、[[後水尾法皇]]と[[東福門院]]が勝林院で融通念仏を受けた。 1736年(元文1年)1月、本堂焼失。 1778年(安永7年)本堂再建。 (日本歴史地名大系、国史大辞典ほか) ==伽藍== [[file:Kokudo0222.jpg|thumb|300px|勝林院・三千院門跡・実光院など(国土地理院空中写真より)]] [[file:Kokudo0221.jpg|thumb|300px|大原周辺。三千院門跡や勝林院など(国土地理院空中写真より)]] *本堂: *観音堂: *山王社: *弁天社: *法然腰掛石: *[[大原法華堂]]:本尊は普賢菩薩。後鳥羽天皇と順徳天皇の菩提を弔うために1240年(仁治1年)、尊快法親王が水無瀬離宮から殿舎を移築して建立。元は大原陵の地にあったとされる。1736年(元文1年)焼失。1778年(安永7年)再建。幕末明治に現在地に移転か。1936年(昭和11年)修復。 *[[後鳥羽天皇陵]] *[[順徳天皇陵]] *[[最胤親王墓]] *宝篋印塔:1316年(正和5年)銘 ==資料== *江藤澂英1932「大原勝林院(宗祖遺跡号)」[https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_MK001100004619] *川勝政太郎1934「新資料―龍安寺の慶長十五年在銘鉄燈籠・勝林院の正和五年在銘宝篋印塔」『史迹と美術』38 *天納中海1989『魚山顕密声明集略本』 *山本博子1999「法然上人霊跡第二十一番大原勝林院について」『史学論集―佛教大学文学部史学科創設三十周年記念』 *荻美津夫2005「寂源と勝林院」『古代中世の史料と文学』 *山路興造2009「大原勝林院の修正会」『京都芸能と民俗の文化史』 *田口標・松下幸司・宇野日出生2010「京都大原の山林文書(3)御入木山における山林売買を中心として」[http://hdl.handle.net/2433/108290] *勝林院一千年紀実行委員会編2013『千年響流―勝林院開創一千年紀慶讃法要紀念:京都大原魚山大原寺寂源上人』 *伊東史朗2013「勝林院阿弥陀如来像(証拠阿弥陀)に関する基礎的資料―康尚、定朝のかかわりとその意義」『仏教芸術』330 *鈴木久男2013「京都大原魚山勝林院本堂阿弥陀如来坐像の調査」『京都産業大学日本文化研究所報』19 *鈴木久男・伊東史朗・天納聖佳2014「京都大原魚山勝林院本尊阿弥陀如来像調査並びに所蔵品整理作業中間報告」[http://hdl.handle.net/10965/1102] *京都産業大学編2020『大原魚山勝林院本尊阿弥陀如来像調査報告書』 *小泉敏夫2018『京都・探勝志―三千院・勝林院・宝泉院・千本釈迦堂』 *大原古文書研究会『勝林院町文書―梶井御殿の村』 [[category:京都府]]
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