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新熊野神社

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)

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新熊野神社(いま・くまの・じんじゃ)は、京都府京都市東山区にある熊野信仰の神社。後白河上皇法住寺殿鎮守として創建。聖護院熊野神社若王子神社と共に京都三熊野の一つ。熊野三山のうち、本宮に相当するとも、那智に相当するともされる。今熊野・観音寺に本地仏が祀られた。別当は、聖護院門跡院家住心院が務めた。

中世には児島修験の京都での拠点となった。

目次

組織

歴代検校

新熊野検校。主に熊野三山検校が兼務した。熊野三山検校の多くは聖護院門跡が兼務した。近世には熊野三山検校と同時に聖護院門主に授けられた職となった。神社の運営に実質的にはあまり関与しなかったと思われる。

  • 28世までは「新熊野検校次第」[1]の記載による。それ以降は「聖門御累代記」[2]、「本山修験伝記」[3]による。世数は「新熊野検校次第」による。就任年については「新熊野検校次第」と他書で食い違う。
世数 生没年 在職年 略歴
1 覚讃 1095-1180 熊野三山検校4世。1168年(仁安3年)、新熊野検校に就任(「次第」)。
2 房覚 生没年不詳 園城寺長吏40世。源信雅の子。1180年(治承4年)、新熊野検校に就任(「次第」)。
3 道仁 生没年不詳 経歴不詳。1319年(元応1年)(1184年(元暦1年)の誤りか)、新熊野検校に就任(「次第」)。
4 実慶 1117-1207 熊野三山検校5世。園城寺長吏36世。1186年(文治2年)、新熊野検校に就任(「次第」)。以降、熊野三山検校が兼職。
5 覚実 1164-1232 熊野三山検校6世。園城寺長吏43世。桂園院。三条実房の子。法務。1201年(建仁1年)、新熊野検校に就任(「次第」)。1232年(貞永1年)3月21日死去。69歳。
6 長厳 ?-1228 熊野三山検校7世。1209年(承元3年)12月18日、新熊野検校に就任(「次第」)。
7 定豪 1152-1238 熊野三山検校8世。1220年(承久2年)8月3日、新熊野検校に就任(「次第」)。
8 良尊 1189-1246 熊野三山検校9世。園城寺長吏46世。1238年(暦仁1年)9月25日、新熊野検校に就任(「次第」)。
9 道慶 ?-1285 熊野三山検校10世。園城寺長吏49世。1246年(寛元4年)5月10日、新熊野検校に就任(「次第」)。
10 覚仁法親王 1198-1266 熊野三山検校11世。園城寺長吏42世。五流尊瀧院を中興という。1248年(宝治2年)5月24日、新熊野検校に就任(「次第」)。
11 静仁法親王 1216-1296 熊野三山検校12世。園城寺長吏。1252年(建長4年)5月10日、新熊野検校に就任(「次第」)。1290年(正応3年)11月9日、新熊野検校に再任(「次第」)。
12 仁恵法親王 1244-1298 一説に熊野三山検校。法住寺。後嵯峨天皇皇子。静仁法親王の弟子。1244年(寛元2年)生。1284年(弘安7年)6月9日、新熊野検校に就任(「次第」)。1296年(永仁4年)、新熊野検校に再任(「次第」)。1298年(永仁6年)4月12日死去。55歳。
13 仁昭 生没年不詳 経歴不詳。1288年(正応1年)9月10日、新熊野検校に就任(「次第」)。
14 静仁法親王 1216-1296 1290年(正応3年)11月9日、新熊野検校に再任(「次第」)。
15 仁恵法親王 1244-1298 1296年(永仁4年)、新熊野検校に再任(「次第」)。
16 行昭 1231-1303 熊野三山検校13世。園城寺長吏60世。常住院。1231年(寛喜3年)生。1298年(永仁6年)4月25日、新熊野検校に就任(「次第」)。1303年(嘉元1年)1月5日死去。73歳。行照。
17 道瑜 1256-1309 熊野三山検校14世。園城寺長吏67世。鶴岡別当12世。1300年(正安2年)8月3日、新熊野検校に就任(「次第」)。
18 道昭 1281-1355 熊野三山検校15・17世。園城寺長吏71世。常住院。四天王寺別当68世。1309年(延慶2年)7月18日、新熊野検校に就任(「次第」)。1330年(元徳2年)3月5日、新熊野検校に再任(「次第」)。
19 覚助法親王 1247?-1336 熊野三山検校16世。園城寺長吏59世。聖護院門跡10世。鶴岡八幡宮寺検校。1321年(元亨1年)5月14日、新熊野検校に就任(「次第」)。1328年(嘉暦3年)9月、新熊野検校に再任(「次第」)。
20 恵助法親王 1289-1328 一説に熊野三山検校。園城寺長吏70世。聖護院門跡13世。1325年(正中2年)、新熊野検校に就任(「次第」)。
21 覚助法親王 1247?-1336 1328年(嘉暦3年)9月、新熊野検校に再任(「次第」)。
22 道昭 1281-1355 1330年(元徳2年)3月5日、新熊野検校に再任(「次第」)。
静尊法親王 生没年不詳 聖護院門跡15世。「聖門伝」によると熊野三山検校、新熊野検校、園城寺長吏。後醍醐天皇皇子。「新熊野検校次第」に名前はないが、「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
聖助法親王 生没年不詳 聖護院門跡16世。「諸寺院上申」によると熊野三山検校、新熊野検校、園城寺長吏。後醍醐天皇皇子。「新熊野検校次第」に名前はないが、「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
23 良慶 1291-1360 熊野三山検校18世。園城寺長吏78世。園城寺常住院。1338年(暦応1年)9月14日、新熊野検校に就任(「次第」)。
24 良瑜 1330-1397 熊野三山検校19世。園城寺長吏84世。実相院門跡。聖護院門跡19世。四天王寺別当。1358年(延文3年)11月19日、新熊野検校に就任(「次第」)。
25 道基(道意) 1354-1429 熊野三山検校20世。園城寺長吏87・95世。聖護院門跡21世。如意寺。四天王寺別当。1376年(永和2年)2月30日、新熊野検校に就任(「次第」)。1405年(応永12年)、新熊野検校に再任(「次第」)。初名は道基、後に道意に改名。
26 道尊(尊経) 生没年不詳 園城寺長吏89世。常住院門跡。1397年(応永4年)10月、新熊野検校に就任(「次第」)。初名は道尊、後に尊経と改名。
覚増法親王 1363-1390 熊野三山検校。園城寺長吏91世。聖護院門跡20世。「新熊野検校次第」に名前はないが、「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
27 道意 1354-1429 1405年(応永12年)、新熊野検校に再任(「次第」)。
28 満意 1386-1465 熊野三山検校21世。園城寺長吏。聖護院門跡22世。如意寺。常住院。四天王寺別当。1412年(応永19年)7月26日、新熊野検校に就任(「次第」)。
(29) 道興 1430-1501 熊野三山検校22世。園城寺長吏103世。聖護院門跡23世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(30) 道応法親王 1467-1510 熊野三山検校23世。園城寺長吏104世。聖護院門跡25世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(31) 道増 1508?-1571 熊野三山検校24世。園城寺長吏105世。聖護院門跡26世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(32) 道澄 1544-1608 熊野三山検校。園城寺長吏105世。聖護院門跡27世。京都・方広寺住職。照高院門跡1世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(33) 興意法親王 1576-1620 熊野三山検校。園城寺長吏107世。聖護院門跡28世。照高院門跡2世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(34) 道晃法親王 1612-1679 熊野三山検校。園城寺長吏108世?。聖護院門跡29世。照高院門跡4世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(35) 道寛法親王 1647-1676 熊野三山検校。園城寺長吏112世。聖護院門跡30世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(36) 道祐法親王 1670-1690 熊野三山検校。園城寺長吏113世。聖護院門跡31世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(37) 道尊法親王 1675-1705 熊野三山検校。園城寺長吏。聖護院門跡32世。円満院門跡。照高院門跡5世。「聖門御累代記」「本山修験伝記」に記載あり。
(38) 道承法親王 1695-1714 熊野三山検校。園城寺長吏115世。聖護院門跡33世。「本山修験伝記」に記載あり。
(39) 忠誉法親王 1722-1788 熊野三山検校。園城寺長吏116世。聖護院門跡34世。「本山修験伝記」に記載あり。
(40) 増賞法親王 1734-1770 熊野三山検校。園城寺長吏。実相院門跡。聖護院門跡35世。「本山修験伝記」に記載あり。
(41) 盈仁法親王 1764-1830 熊野三山検校。園城寺長吏119世。聖護院門跡36世。「本山修験伝記」に記載あり。
(42) 雄仁法親王 1821-1868 熊野三山検校。園城寺長吏121世。聖護院門跡37世。還俗して聖護院宮嘉言親王。「本山修験伝記」に記載あり。

別当

資料

  • 「新熊野検校次第」[4]
  • 「新熊野別当次第」[5]
  • 天野文雄「今熊野猿楽の実現ー義満台覧の背景をめぐって」[6]
http://shinden.boo.jp/wiki/%E6%96%B0%E7%86%8A%E9%87%8E%E7%A5%9E%E7%A4%BE」より作成

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