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浮図祠
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
2023年11月19日 (日) 時点におけるWikiSysopKARASUYAMA (トーク | 投稿記録)による版
浮図祠は中国徐州(江蘇省徐州市)あたりにあった仏教寺院。跡地不詳。中国仏教で最古級の寺院。〓融(〓は竹+乍)が創建。後世に編纂された『後漢書』には「浮図寺」とあるが、『三国志』には「浮図祠」とある。
『三国志』「呉書」49劉〓伝に「〓融者、丹楊人…乃大起浮図祠、以銅為人、黄金塗身、衣以錦采、垂銅槃九重、下為重楼閣道、可容三千余人、悉課読仏経」とある。この頃にはまだ「寺」という文字に仏教寺院という意味はなく、「祠」という文字が使用されている。「浮図」は「仏陀」と同じくブッダの音写。3000人を収容できる巨大な中国風楼閣式の建物だったと推定され、金銅仏が祀られていたことが読み取れる。『資治通鑑』では195年条にこの記事が収録されている。鎌田茂雄『中国仏教史』1巻によると、〓融が189~193年に広陵・下〓(〓は丕+おおざと)・彭城に建てたと推定している。
- 町田隆吉2017「中国古代仏寺称謂攷―祠と寺」[1]