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鞍馬寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
鞍馬寺 くらまでら | |
概要 | |
奉斎 | |
所在地 | |
所在地(旧国郡) | |
所属(現在) | |
格式など | |
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目次 |
概要
鞍馬寺(くらまでら)は、京都府京都市左京区にある、天台宗系の本山寺院。鞍馬弘教の総本山。空也や良忍ゆかりの浄土教の聖地。
鎮守由岐神社がある。
由緒
鑑禎による創建
鑑真の弟子に鑑禎という僧がいた。鞍馬寺ではこの人物を思託に充てている。770年(宝亀1年)1月4日の寅の日、唐招提寺にいた鑑禎は、山背国に霊地があるとの霊夢をみた。そこに行こうとしたが、ある村まで来て日が暮れた。そこからは紫雲がたなびいているのがみえた。翌日、紫雲が現れた場所まで来たが、霊地がどこか分からず、休息のうちに眠り込んだ。すると夢に老僧が現れ、翌朝の日の出を見よと告げた。夜が明けると、ある山の上に宝の鞍を着けた白馬が出現したので、その山まで赴いた。すると鬼が現れたが、神呪を唱え、巨木を倒して殺すことができた。翌朝、そこに毘沙門天の像が出現したので、草庵を建てて祀った。これが鞍馬寺の始まりという。
平安遷都2年後の796年(延暦15年)、藤原伊勢人(いせんど)という貴族が持仏の観音像を祀る堂の建設を考えていたところ、老僧や夢に出現。霊山に伽藍を立てよと託宣した。白馬に託してその山を探したところ、鞍馬山にたどり着いた。そこには毘沙門天を祀る小さな堂があった。そこに大きな伽藍を建設。四十二臂の観音を彫り、毘沙門天と共に祀った。
鞍馬弘教が伝える魔王尊の降臨
戦後に立教された鞍馬弘教では鑑禎からさらに遡り、現代から650万年前に金星から魔王尊が降臨したのが起源としている。
2代管長の信楽香仁によると、「天も地もすさまじい音をたてた。数知れぬ火の粉がばらばらと降ってきた。大空には巨大な焔のかたまりが、炎々と燃えさかりながら渦を巻いている。そのなかから、白熱の透きとおる物体が回転しながら舞いおりてきた。さしずめUFOの襲来というところであろうが、実は、これは焔の君たちの天車である。宇宙の大元霊である尊天の指令によって金星から派遣された大魔王尊が、このとき地球の霊王として鞍馬山上に天下ったのである。六百五十万年前の出来事という」とある(『古寺巡礼 京都 鞍馬寺』淡交社、以下同書)。降臨したのは奥之院の磐座だったという。
この魔王尊とは悪魔の首領ではなく「あらゆる魔障を征服し屈従させて善魔に転向させる大王」であり、「転迷開悟・破邪顕正のお力を授けてくださる守護神」とされる。さらに「地下空洞の支配者」でもあり、「地下空洞には大都会があり、北欧とヒマラヤと南米と日本の四カ所に地表へ通ずる出入口をもち、日本の通路は鞍馬山にあるといわれている」という。そして「鞍馬山からは、たえず魔王尊の強力な霊波が放射されていた。後日そのすばらしい霊波をみごとに受診したのが、鑑禎上人である」として鑑禎創建の縁起につなげている。
画像
参考文献