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高勝寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
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高勝寺(こうしょうじ)は、栃木県栃木市岩舟町静にある地蔵信仰の天台宗寺院。蓮華院と号す。山号の岩船山(岩舟山)で知られる。岩舟地蔵とも呼ばれる。
歴史
771年(宝亀2年)、伯耆大山の弘誓坊明願という僧が「生身の地蔵菩薩」を求めて岩船山で出会い、開いたという。1724年(享保9年)建立の露座の地蔵仏(大仏と呼ばれる)があり、この頃から信仰が盛んになったらしい。徳川家光側室のお楽の方が信仰し、家綱を産んだという。江戸時代中期以降、死者の霊が集まる霊場としての信仰が広まると共に関東各地に姿を写した石仏が建てられた。2011年(平成23年)の東日本大震災で山体の一部が大きく崩壊し、奥之院へ行く道が寸断した。
伽藍
切り立った独特の形状をした岩舟山(標高172.7m)にある。山全体が船の形としているとされ、舳に1927年(昭和2年)再建の本堂、艫に「賽の河原堂」(常念仏堂)がある。本堂の「生身の地蔵菩薩」は秘仏。奥之院は「生身の地蔵菩薩」が出現した聖地。東日本大震災で山体が崩落したため、谷の手前に移転した。1742年(寛保2年)建立の仁王門、1751年(宝暦1年)建立の三重塔、鐘楼堂、護摩堂、孫太郎尊がある。孫太郎尊は松田康郷を祀る廟。山内のあちこちに地蔵が建てられ、故人の供養のために遺品の服が着せられている。大量の卒塔婆も立てられている。
(日本歴史地名大系、高勝寺ウェブサイトほか)