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北京・棲隠寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2015年9月19日 (土)
棲隠寺(せいいんじ)は、中国北京市門頭溝区、市街地中心部から西北30kmの山中にある寺院。仰山棲隠寺、仰山寺。イ仰宗の発祥地となった仰山棲隠寺(江西省宜春市袁州区)とは別の寺院である(参考:同名寺院棲隠寺)。
遼代の創建とされるが、存在がはっきりするのは金代以降という。松木民雄は大定20年(1180)、鎌田茂雄は大定24年(1184)に金5代皇帝世宗が創建したとしている。玄冥禅師顗公を開山とし、一万人の僧がいたと記されている。6代章宗はしばしば寺に行幸したという。曹洞宗の高僧万松行秀が住したことでも知られる。明代には荒廃し、それを見た西域出身の吉祥上師が再建を願ったが果たせず、弟子の智広が永楽年間に修復した。正統年間、天順年間にも修復が行われた。
清代の乾隆年間(1736-1795)には廃寺となっていた。松木民雄が調査したときも跡地のみだったが、近年、再興されたようだ。
丸塔、六角塔の古塔2基と「仰山棲隠寺重修碑」「祖師弁公大和尚道行碑」(断片のみ)が残っている。
参考文献
- 鎌田茂雄、2001『新中国仏教史』大東出版社
- 松木民雄、1998「北京・棲隠寺の仏塔と碑文」『北海道東海大学紀要 人文社会科学系』11