ようこそ『神殿大観』へ。ただいま試験運用中です。 |
大儲慶寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2018年10月19日 (金)
大儲慶寺(だいちょけいじ)は、中国金代の首都上京(現・黒龍江省ハルビン市阿城区)にあった金朝皇室ゆかりの寺院。また優填王が造立した釈迦如来栴檀瑞像が奉安されていた寺院の一つ。
皇統2年(1142)、3代熙宗が皇子済安の誕生を記念して造営を開始し、翌年に竣工。演慧(海慧?)を開山とした。しかし、皇子は生後11ケ月で薨去。皇帝は皇子の姿をかたどった像を造り、寺に奉安したという。
「天宮のごとし」と言われた壮大な伽藍があったという。竣工した皇統3年から5年ごろに、燕京(北京)の大聖安寺からインド伝来とされる釈迦如来栴檀瑞像が奉迎され、寺の積慶閣に奉安された。のち燕京大都に遷都されると大定4年(1164)に像は寺を離れた。
参考文献
- 鎌田茂雄、2001『新中国仏教史』大東出版社
- 藤原崇人、2010「栴檀瑞像の坐す都―金の上京会寧府と仏教」『環東アジア研究センター年報』5