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深江稲荷神社
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2019年4月28日 (日)
深江稲荷神社(ふかえ・いなり・じんじゃ)は大阪府大阪市東成区深江南にある稲荷信仰の神社。祭神は稲倉魂大神、猿田彦大神、天鈿女大神(ウェブサイト)。大嘗祭関連旧跡。伊勢神宮関連旧跡。法明寺が隣接。
歴史
垂仁天皇の時代に笠縫氏の祖が下照姫命を祀ったのが始まりという(現在の摂社天津神社か)。和銅年間、稲荷神を合祀。一説には元亀・天正の兵乱で玉造稲荷神社が一時避難したのが起源ともいう。1603年(慶長8年)、豊臣秀頼が再建。1614年(慶長19年)兵火で焼失。1760年(宝暦10年)再建。1872年(明治5年)村社。
摂末社として天津社、笠縫神社、御食津神社がある。天津社は摂社で月読大神、稚日女大神、軻過突智大神、下照姫大神を祀る。末社笠縫神社の祭神は天勇蘇命・天津麻占曽曽命・天津赤麻良命・笠縫氏祖。末社御食津神社は榎稲荷神社とも呼ばれ、豊受大神・御食津大神を祀る。
この地は古代から菅細工の産地と知られる。『万葉集』3巻に登場する「笠縫島」に比定され、同書にある「難波菅笠」もこの地で作られた。『延喜式』「内匠寮」に記述のある斎宮に菅蓋の材料を収めた笠縫氏の居住地と考えられている。深江からは大嘗祭では菅笠・円座を、伊勢神宮の式年遷宮には菅笠・菅翳を調進したという。中世には菅笠座があり、専売権を持っていた。
深江菅田保存会と深江菅細工保存会があり、大正天皇の大嘗祭に菅笠を奉納。2011年(平成23年)の伊勢神宮式年遷宮にも奉納した。
(神社ウェブサイト、深江菅細工保存会ウェブサイト、日本歴史地名大系)