ようこそ『神殿大観』へ。ただいま試験運用中です。 |
大和・鳳閣寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2024年1月16日 (火)
(鳳閣寺から転送)
鳳閣寺(ほうかくじ)は、奈良県吉野郡黒滝村にある当山修験の諸国総袈裟頭を務めた本山寺院。当山修験の開祖聖宝の墓所。醍醐寺の江戸触頭を務めた江戸・鳳閣寺が兼務した。本尊は如意輪観音。聖宝の墓は寺の奥の山上にある。真言宗鳳閣寺派。通称は鳥栖鳳閣寺、鳥栖寺。 山号は百螺山。大峰山も参照。
歴史
役小角の創建で、空海も滞在したという。当初は万塔山鳥栖庵と称したとも。寛平7年(895)、聖宝が吉野に入り、行場を開く拠点として鳳閣寺に真言院を建立。昌泰2年(899)、伝法灌頂を多数の弟子に授けた。修験道独自の恵印灌頂の起源とされる。死後は弟子貞崇が墓所を築いた。今は南北朝時代建立の石塔が建てられている。
江戸時代、徳川幕府から当山派の全ての袈裟筋(師弟関係、本末関係、法流)を統轄する諸国総袈裟頭に任じられた。ただし江戸戒定院が鳳閣寺兼務を命じられ、さらに幕府と宗派との連絡役である江戸触頭に任命されたため、実質的には江戸戒定院が鳳閣寺の役職と権威を負うこととなり、鳳閣寺と名乗った。
明治維新で江戸鳳閣寺は廃絶。吉野鳳閣寺は真言宗醍醐派に属したが、戦後、独立。
(国史大辞典、日本歴史地名大系ほか)