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カイラス山
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2020年9月4日 (金)
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2020年9月4日 (金) 時点における最新版
カイラス山(Kailash)は、チベット西部にある聖なる山。チベット仏教、ヒンドゥー教、ボン教、ジャイナ教の聖地。カンリンポチェ山。マナサロワール湖、ティルタプリと合わせて、カイラス三大聖地という。
ヒンドゥー教では最高神シヴァの座所とされる。その妃パールヴァティーも住む。山はリンガそのものとされる。ジャイナ教では開祖以前の23人の祖師の一人リシャバが解脱を得て涅槃に入った場所とされる。インド仏教では人間が住む南瞻部州の北方、大雪山(ヒマラヤ)のさらに北にある香酔山として仏典に登場するが、チベット仏教では守護尊チャクラサンヴァラ(デムチョク、勝楽金剛、勝楽尊)、その妃ヴァジュラヴァーラーヒ(ドルジェパーモ、金剛亥母、金剛牝豚)が住む山とされる。ボン教では開祖シェンラプ・ミボが天から綱をつたって地上に降臨した場所という。
チュク・ゴンパ、ディラプク・ゴンパ、ズゥトゥプク・ゴンパなどの寺院もある。ブータン王国の支配下だった。文化大革命で破壊されたが80年代に再建。チュク・ゴンパは13世紀の創建。阿弥陀如来を祀り、カイラス山を代表する寺院。ディラプク・ゴンパ(ディラプール・ゴンパ)は13世紀の創建。ズゥトゥプク・ゴンパ(ズルフク・ゴンパ )は13世紀の創建で、伝説的な詩人ミラレバが開いたという。
南側にタルチェンという巡礼基地がある。ここからヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒、仏教徒は時計回り、ボン教徒は反時計回りに巡礼する。
目次 |
巡礼路
時計回り
- タルチェン
- セルシュンタルボチェ
- ナロープンチュンの洞窟
- 仏足石
- チュク・ゴンパ
- 拝所:テイジュン山を拝める。チベット人はこれをチャクラサンヴァラらの父母仏になぞらえる。その手前には十六羅漢と呼ばれる岩峰が並ぶ
- 黄金渓:河口慧海が呼んだ
- ハヌマーンの岩
- ラーヴァナ山
- タムディン・ドゥンカン:馬頭観音を祀る祠
- 仏足石
- ディラプク・ゴンパ
- 金剛手山:カイラス主峰に接する峰。
- 観音山:カイラス主峰に接する峰。
- 文殊山:カイラス主峰に接する峰。
- ダキニの巡礼路:13回目で初めて足を踏み入れることができるという
- 鳥葬場
- ドルマ峠:巡礼路の最高地点。ドルマ石という巨石にタルチョーが掛けられている。約5600m
- ガウリークンド湖:エメラルドグリーンの湖。チベット人は「神々の沐浴場」(テューキズィンプ)と呼び、ヒンドゥー教徒は「女神ガウリー(パールヴァティーの化身)の池」(ガウリークンド)と呼ぶ。ガウリーの誕生地とも言われる。
- 拝所
- 薬師の石
- 黒帽の石:カルマパが黒帽を残したという
- イヒェキョン山:ガルダの山という
- ズゥトゥプク・ゴンパ:ミラレパの洞窟の上に建てられている。ミラレパの像が祀られている
- 仏足石
- ダキニの舞踏場
- タンセルタンマル:鉱物・水・薬草などあらゆるものの財宝庫
- メンダンカルボ
- タルチェン
内陣巡礼路
- タルチェン
- セルルンゴンパ
- リンチェンプン:宝積山。チベット人は五百羅漢、インド人はシヴァの騎獣雄牛ナンディ
- カパラ湖
- カヴァリ湖
- 仏足石
- ギャンタゴンパ
- タルチェン
その他
参考文献
- 宮本久義 2003『ヒンドゥー聖地 思索の旅』山川出版社