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茅山
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
2016年6月14日 (火) 時点におけるWikiSysopKARASUYAMA (トーク | 投稿記録)による版
茅山(ぼうざん)は、中国南京の郊外(江蘇省鎮江市句容市)にある道教の霊山。上清派の実質的な開祖である陶弘景の旧跡で、同派の本拠地。三論宗や牛頭宗ゆかりの仏教霊山でもあったが、その痕跡はないという。句曲山。三茅山。
歴史
茅山の名称は、前漢元帝の時代に、咸陽の茅盈、茅固、茅衷の三人がこの山に来て仙人になった伝説に基づく。晋の太和元年(366)に許長史が邸宅を立て、劉宋の初めに長沙の景王が道士の精舎を建てたのが道観の始まりという。梁代の天監13年(514)、勅で朱陽館(華陽宮、華陽館)と称した。陶弘景のために館の西に隠居邸を築いて天下に名を馳せた。陶弘景は武帝の信頼が厚かった。北魏の曇鸞がこの山に陶弘景を訪ねている。
隋代には大明(大明法師、明法師)が隠遁し、豊楽寺という寺院に住したという。また唐代には炅(牛頭宗開祖法融の師匠。炅法師)が籠もった。鎌田茂雄は「牛頭法融が茅山において、道教関係の書を読んだことは確実であり、法融の思想には道教思想との交流があったのかも知れない」と述べている。
一覧
- 華陽宮:陶弘景の館。
- 紫陽観
- 茅山道院:道教全国重点宮観
- 元符万寧宮:元符宮、印宮ともいう。宋代の哲宗が詔して元符観を創建。徽宗が元符万寧宮と改称した。中心的な道観?
- 九宵万福宮:元代の延祐3年に勅をもって創建。最初は「聖祐観」。
- 崇禧万寿宮:廃絶。
- 徳祐観:元代の延祐3年に勅をもって創建。
- 仁祐観:元代の延祐3年に勅をもって創建。
- 白雲観
- 乾元観:北側東麓にある。宋代の真宗が勅して国師であった朱自瑛のために創建。
- 豊楽寺:
参考文献
- 常盤大定『支那仏教史蹟踏査記』
- 鎌田茂雄「三論宗・牛頭禅・道教を結ぶ思想的系譜」
- 宇井伯寿「牛頭法融と三論宗」