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府中東照宮
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2016年5月22日 (日)
府中東照宮(ふちゅう・とうしょうぐう)は、東京都府中市の大国魂神社境内にある東照宮。久能山東照宮から日光東照宮に奉遷された際に徳川家康神櫃が滞在した府中御殿が大国魂神社に隣接し、そのゆかりで創建されたという。日光東照宮関連旧跡。
府中御殿は、大国魂神社本殿の南西150mの位置(現JR府中本町駅前)にあった。古代の武蔵国府跡に当たる。1590年(天正18年)、奥州仕置の帰途の豊臣秀吉を迎えるために徳川家康が屋敷を建てたのが始まりで、その後も将軍鷹狩などの際に徳川家の御殿として使用された。多くの徳川家御殿の中でも初期のものという。1608年(慶長13年)に家康は府中で鷹狩をしているが、この時にも使用されたと思われる。1646年(正保3年)の火災で焼失し、再建されなかった。やがて将軍が自由に江戸城から外出できなくなり、御殿の必要性が下がったためという。1976年(昭和51年)に北側にイトーヨーカドー府中店が開業し、跡地はその駐車場となった。1993年(平成5年)や2001年(平成13年)に一部調査。2008年(平成20年)から2010年(平成22年)にかけて全体の発掘調査が行われ、竪穴建物2棟、掘立柱建物10棟、井戸2基などの17世紀の痕跡や三葉葵の鬼瓦などの遺物が発見された。徳川家の御殿の伝承地は多いが、発掘例は少ない。平成23年2月、国史跡「武蔵国府跡」に追加指定され、公有地となった。御殿地地区と呼ばれている。
参考文献
- 府中市の史跡整備資料
- 国史跡武蔵国府跡(御殿地地区) 保存、整備及び活用基本計画 提言書【概要版】
- 第1回国史跡武蔵国府跡(御殿地地区)保存、整備及び活用基本計画検討協議会 討議資料
- 府中市史談会7月講座「府中御殿について」報告〔その1〕[1]
- 大石学『続駅名で読む江戸・東京』