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雅楽
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
2021年9月5日 (日) 時点におけるWikiSysopKARASUYAMA (トーク | 投稿記録)による版
雅楽。伎楽や舞楽も扱う。
楽所
- 雅楽寮:
- (大歌所)
- (内教坊)
- 式部職楽部:天王寺楽所の系統を伝える。
- 大内楽所:三方楽所の一つ。京都楽所
- 南都楽所:三方楽所の一つ。春日大社・興福寺に付属。四辻家が所管。事務所が氷室神社にあった。応仁の乱で途絶えた旧京都楽所の系統を伝える。
- 天王寺楽所:三方楽所の一つ。四天王寺に付属。
- 紅葉山楽所:紅葉山東照宮に付属。
種別
- 印度楽
- 百済楽
- 新羅楽
- 渤海楽
- 呉楽:伎楽
- 度羅楽
- 高麗楽
- 林邑楽
- 唐楽
- 右方:唐楽、百済楽、新羅楽、渤海楽
- 左方:高麗楽、林邑楽
- 狛氏:祖の好行は高麗国から渡来した滋井因叶の子で大宰府の楽師だったという。左方舞を担当。小野妹子の末裔の5代衆行は冷泉天皇代で勅命で興福寺雑掌となり9代光高の時に山城国狛里に住んで、一条天皇代に狛氏の姓を賜ったともいう。
- 多氏:太安万侶の後裔という。右方舞を担当。
- 山村氏:東大寺
- 玉手氏:薬師寺
年表
- 554年:百済から易・暦・医の博士と共に楽人が渡来。
- 612年(推古20年):百済の味摩之が中国の呉で学んだという伎楽の舞を伝え、桜井の「土の舞台」で少年たちに教えたという(日本書紀)。
- 701年(大宝1年):大宝律令制定。雅楽寮を設置。
- 710年(和銅3年):平城遷都
- 752年(天平勝宝4年)4月9日:東大寺大仏開眼会。歌舞が華やかに行われた。
- 794年(延暦13年):平安遷都。
- 9~10世紀:四箇法要、舞楽法要が形作られる。
- 仁明天皇代:左方唐楽と右方高麗楽に再編。自然麿が活躍。
- 948年(天暦2年)8月:近衛府の官人を主導で楽所を創設。雅楽寮の衰退と三方楽所の起源。
- 一条天皇代:左方舞は狛氏、右方舞は多氏と定められる。
- 長保年間:狛氏の南都奉仕を機に南都楽所が成立。石清水八幡宮から右方舞人の大神惟遠を迎える。
- 1007年(寛弘4年)2月:左近将曹(楽所)の尾張兼時、藤原道長の子の舞の指導を行う。
- 1017年(寛仁1年)9月:摂政藤原頼通、石清水八幡宮の競馬で右近将曹方の舞が見事だということで衣を与えたという。
- 1018年(寛仁2年)10月:上東門院行幸のとき、雅楽寮は楽所行事人の指導を受けて奉仕した。
- 1041年(長久2年)2月:北野行幸のとき、雅楽寮では舞装束が足りなかったので石清水八幡宮や八坂神社のものを借りたという。雅楽寮の衰退を示す。
- 狛行光、春日大明神のお告げで地獄から蘇生したという。
- 1136年(保延2年):春日大社若宮おん祭始まる。
- 1180年(治承4年)12月28日:南都焼き討ち。
- 1217年(建保5年):狛近真、氷室神社の社務となる。のち氷室神社が南都楽所の事務所となる。
- 1233年(天福1年):狛近真、『教訓抄』を著す。雅楽書の原点。
- 1467年(応仁1年):10年続く応仁の乱で京都の楽人が離散。
- 正親町天皇の時代、三方楽所の体制ができる。天王寺楽所の楽人5人を京都に呼ぶ。
- 後陽成天皇、南都楽人を京都に呼ぶ。
- 1642年(寛永19年):徳川家光、三方楽所から楽人を江戸の紅葉山東照宮に移し、紅葉山楽所が成立。
- 1665年(寛文5年):徳川家康50回忌法要のため三方楽所が大挙して江戸で奉仕する。幕府から2000石を与えられた。
- 1870年(明治3年)11月:三方楽所廃止。
- 1873年(明治6年)5月:一般への神楽舞楽の伝習が解禁される。
- 1873年(明治6年)8月:春日大社三旬のための伶人が廃止された。
- 1874年(明治7年)5月8日:旧南都楽所の残務処理の話し合いが行われ、芝葛忠に一任される。
- 1874年(明治7年)6月3日:旧南都楽所の舞楽装束300点が春日大社に奉納された。氷室神社からも撤収する。
- 1875年(明治8年)1月:春日大社で芝葛忠の指導で雅楽の稽古が始まる。
- 1879年(明治12年):四天王寺聖霊会復興。
- 1884年(明治17年):雅亮会設立。
- 1903年(明治36年)2月23日:奈良楽会設立。旧南都楽所の楽家を中心に結成。
- 1915年(大正4年)5月2日~8日:東大寺大仏殿修復供養会。
- 1915年(大正4年)11月1日:水谷川忠起春日大社宮司を会長として奈良雅楽会設立。翌年6月5日発会式。
- 1921年(大正10年)4月11日~18日:法隆寺聖徳太子1300年御諱聖霊会。
- 1932年(昭和7年)6月21日:江見清風宮司を会長として「春日神社古楽保存会」設立。おん祭の古楽の保存。
- この頃:奈良県神職会の主催で「雅楽講習会」始まる。
- 戦後直後:氷室神社を拠点に南都晃耀会を設立。
- 1948年(昭和23年)1月15日:春日神社古楽保存会、春日古楽保存会に改称。
- 1952年(昭和27年)3月29日:春日大社の舞楽が「助成の措置を講ずべき無形の文化財」に指定。
- 1952年(昭和27年)10月12日~19日:東大寺大仏開眼1200年記念舞楽法要。
- 1953年(昭和28年)8月1日:春日古楽保存会、『舞笛絹塵』出版。
- 1954年(昭和29年)11月3日:法隆寺金堂落慶舞楽法要。
- 1968年(昭和43年)2月10日:春日古楽保存会から雅楽部門を独立させ、社団法人南都楽所を設立。
- 1971年(昭和46年)10月2日:狛光高を祀る舞光社(氷室神社境内)の修復竣工奉告祭。宮内庁楽部からの参列。舞楽奉納。
- 1980年(昭和55年)10月15日~18日:東大寺大仏殿昭和大修理落慶法要。伎楽を復元。
平安雅楽会 天理大学雅楽部