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伊勢神宮神田
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
神宮神田 じんぐう しんでん | |
神田 | |
概要 | 伊勢神宮の神饌に供される稲を作る神田 |
奉斎 | |
所在地 | 三重県伊勢市楠部町 |
所属(現在) | |
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目次 |
概要
神宮神田は伊勢神宮の神饌に供される稲を作る神田である。
神宮神田は、倭姫命の創設とされ、「大御刀代」、「御常供田」などと呼ばれてきた。かつては内宮には現在の神宮神田(家田神田)のほかに荒木田(城田郷・田辺郷にあった。皇大神宮摂社田乃家神社の辺りか)、外宮には南豊宮崎(豊受大神宮末社伊我理神社の辺り)にあった。
宇治田 抜穂田
楠部御料田(家田神田)は1871年(明治4年)11月に上地となり、一時廃絶したが、1889年(明治22年)に復興。昭和4年度の神宮式年遷宮の造営事業の一部として改修・拡張した。御稲納屋、堆肥舎、乾燥舎などのほか、祭場として、神田祭場、忌鍬山木本祭場、忌鍬山山口祭場がある。 神嘗祭付属の祭典として、4月下旬に神田下種祭を、9月上旬に抜穂祭を行っている。神田下種祭は神田を耕し、忌種を苗代に播きはじめる祭典。古くは「鍬山神事」、「伊賀利神事」などと呼ばれ、『儀式帳』に記載があるが、中世には廃れ、宮域で形式ばかりが残っていたのみという。明治初年に廃絶したが、1933年(昭和8年)に再興。神田下種祭と称した。最初に忌鍬(神聖な鍬)を作るための材木を伐採するため、忌鍬山の入口の忌鍬山山口祭場で忌鍬山の山口神を祭り、山上の忌鍬山木本祭場で木本神を祭る。その後、木を伐採して忌鍬を作る。忌鍬を作ったあとに神田祭場に向かい、神田を守護する神を祭って、忌鍬で耕始の儀を行い、苗代に忌種を播いて修了する。
内宮には楠部町の神宮神田のほか、1889年(明治22年)から今在家に御料田があったらしいが、現在はない。また伊雑宮に御料田がある。外宮近隣にあった御料田は戦後に廃絶か。
祭場
神田祭場
神宮神田の中心的祭場。神田の中央に位置する。神田下種祭や抜穂祭で使われる。祭典では「大御刀代乎護坐須大神」(神田を守護する神)を祭る。
忌鍬山木本祭場
神田下種祭で忌鍬を作るための木を切るときに行われる祭典の祭場。神田の背後にある忌鍬山の山上にある。「忌鍬山乃木本爾坐須大神」を祭る。
忌鍬山山口祭場
神田下種祭で忌鍬を作るための木を切るために山に入るときに行われる祭典の祭場。忌鍬山の麓にある。「忌鍬山乃山口爾坐須大神」を祭る。
画像
参考文献
- 『神道大辞典』
- 『神宮要略』