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宇流富志禰神社

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2019年4月25日 (木)

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'''宇流富志祢神社'''(うるふしね・じんじゃ)は三重県名張市平尾にある神社。[[春日大社遷座旧跡]]という。祭神は宇奈根神・[[春日神]]など。[[官社]][[県社]]。
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'''宇流富志禰神社'''(うるふしね・じんじゃ)は三重県名張市平尾藤ノ木(伊賀国名張郡)にある[[春日信仰]]の神社。春日神が[[鹿島神宮]]から[[春日大社]]まで遷座した時の旧跡という。[[春日大社関連旧跡]]。祭神は宇奈根神・春日神など。[[官社]]論社。[[県社]]。旧称は'''春日神社'''
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『春日社記』によれば767年6月21日、常陸国の鹿島神が大和国の春日大社に遷る際、夏見の一瀬河で沐浴した。この旧跡に神社が建てられたのが始まりか。
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『三代実録』に861年に従五位下、873年に従五位上が授けられたとある「宇奈根神」が、『延喜式』の「宇流富志禰神社」に当たると考えられている。
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966年の文書に「宇奈抵社」とある。『寺社元要記』などには別称として「御成宮」「宇成宮」を記す。
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「宇奈根」の名は春日神の御成(おなり)に由来するとする見解もある。
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以上が古代の宇流富志禰神社の沿革だが、その論社は二つある。
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現在の「宇流富志禰神社」と、積田神社だ。
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『日本歴史地名大系』では、『伊水温故』に平尾の春日大明神は「夏見宮(積田神社)より勧請」との記述や積田神社に伝わる伝承から、
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積田神社を本来の宇流富志禰神社とし、現在の「宇流富志禰神社」はその分社ではないかとする。
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現在の「宇流富志禰神社」の伝では宇奈根神は最初は神社南西にある鮎取淵の上の巨岩に祀られており、「なばり社」「みなり社」と呼んだ。のち現在地に遷座したという。
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1581年の兵火で焼失。1616年に再建された。その棟札に「宇奈根大明神」とあるが、近世はもっぱら春日神社、春日社と呼ばれた。松倉重政、藤堂高吉が崇敬。神宮寺として長谷寺末の真言宗普応院があった。
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1881年(明治14年)11月県社(神道史大辞典)。1908年、近隣の神社を多数合祀した。
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[[category:三重県]]
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2019年4月25日 (木) 時点における最新版

宇流富志禰神社(うるふしね・じんじゃ)は三重県名張市平尾藤ノ木(伊賀国名張郡)にある春日信仰の神社。春日神が鹿島神宮から春日大社まで遷座した時の旧跡という。春日大社関連旧跡。祭神は宇奈根神・春日神など。官社論社。県社。旧称は春日神社

歴史

『春日社記』によれば767年6月21日、常陸国の鹿島神が大和国の春日大社に遷る際、夏見の一瀬河で沐浴した。この旧跡に神社が建てられたのが始まりか。 『三代実録』に861年に従五位下、873年に従五位上が授けられたとある「宇奈根神」が、『延喜式』の「宇流富志禰神社」に当たると考えられている。 966年の文書に「宇奈抵社」とある。『寺社元要記』などには別称として「御成宮」「宇成宮」を記す。 「宇奈根」の名は春日神の御成(おなり)に由来するとする見解もある。

以上が古代の宇流富志禰神社の沿革だが、その論社は二つある。 現在の「宇流富志禰神社」と、積田神社だ。 『日本歴史地名大系』では、『伊水温故』に平尾の春日大明神は「夏見宮(積田神社)より勧請」との記述や積田神社に伝わる伝承から、 積田神社を本来の宇流富志禰神社とし、現在の「宇流富志禰神社」はその分社ではないかとする。

現在の「宇流富志禰神社」の伝では宇奈根神は最初は神社南西にある鮎取淵の上の巨岩に祀られており、「なばり社」「みなり社」と呼んだ。のち現在地に遷座したという。 1581年の兵火で焼失。1616年に再建された。その棟札に「宇奈根大明神」とあるが、近世はもっぱら春日神社、春日社と呼ばれた。松倉重政、藤堂高吉が崇敬。神宮寺として長谷寺末の真言宗普応院があった。 1881年(明治14年)11月県社(神道史大辞典)。1908年、近隣の神社を多数合祀した。

(日本歴史地名大系)

http://shinden.boo.jp/wiki/%E5%AE%87%E6%B5%81%E5%AF%8C%E5%BF%97%E7%A6%B0%E7%A5%9E%E7%A4%BE」より作成

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