ようこそ『神殿大観』へ。ただいま試験運用中です。 |
当麻寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
(?伽藍) |
(?古代) |
||
7行: | 7行: | ||
===古代=== | ===古代=== | ||
奈良時代には三論宗を標榜した。天平宝字7年(763)、[[中将姫]]が蓮の糸で観無量寿経変相図、いわゆる当麻曼荼羅を織り上げたという。 | 奈良時代には三論宗を標榜した。天平宝字7年(763)、[[中将姫]]が蓮の糸で観無量寿経変相図、いわゆる当麻曼荼羅を織り上げたという。 | ||
- | + | 弘仁14年(824)、[[空海]]が参籠したとの伝承もある。 | |
+ | |||
===中世=== | ===中世=== | ||
平安時代後期には大和国の他の寺院と同様に[[興福寺]]末となる。当麻曼荼羅の伝承が広まり、曼荼羅堂が寺院の中心となった。南北を中心軸とする古代伽藍を残しつつ、西方浄土を拝む形となる曼荼羅堂が中心に境内が再編成。他に類を見ない伽藍配置を形成した。現在も行われている聖衆来迎練供養会式は[[源信]]が始めたという。治承4年(1180)の平氏の南都焼討と同時に当麻寺も襲撃され、一部の伽藍を失った。現在の金堂と講堂はこの後の再建時のものである。[[浄土宗]][[西山派]]の派祖の[[証空]]は当麻曼荼羅を重視し、曼陀羅相承の伝授を始めた。[[一遍]]も参詣して賦算したという。応安3年(1370)、[[知恩院]]12世誓阿が塔頭往生院を創建。誓阿は知恩院の本尊御影像と『法然上人絵伝』を移したと伝えるが不詳。のち「知恩院の奥之院」を名乗って[[当麻寺奥院]]と称した。 | 平安時代後期には大和国の他の寺院と同様に[[興福寺]]末となる。当麻曼荼羅の伝承が広まり、曼荼羅堂が寺院の中心となった。南北を中心軸とする古代伽藍を残しつつ、西方浄土を拝む形となる曼荼羅堂が中心に境内が再編成。他に類を見ない伽藍配置を形成した。現在も行われている聖衆来迎練供養会式は[[源信]]が始めたという。治承4年(1180)の平氏の南都焼討と同時に当麻寺も襲撃され、一部の伽藍を失った。現在の金堂と講堂はこの後の再建時のものである。[[浄土宗]][[西山派]]の派祖の[[証空]]は当麻曼荼羅を重視し、曼陀羅相承の伝授を始めた。[[一遍]]も参詣して賦算したという。応安3年(1370)、[[知恩院]]12世誓阿が塔頭往生院を創建。誓阿は知恩院の本尊御影像と『法然上人絵伝』を移したと伝えるが不詳。のち「知恩院の奥之院」を名乗って[[当麻寺奥院]]と称した。 |
2017年10月20日 (金) 時点における版
当麻寺(たいまでら)は、奈良県北葛城郡当麻町にある浄土教・南都仏教の寺院。葛城山の二上山の東麓に位置する。現在は当麻曼荼羅が本尊だが、元は弥勒菩薩を本尊としていたという。中将姫の伝説で知られる。元は当麻氏の氏寺だったとみられている。聖徳太子建立四十六寺の一つ。中之坊などの高野山真言宗の寺院と奥院などの浄土宗知恩院派の寺院により、護持されている。禅林寺、万法蔵院ともいう。山号は二上山。
目次 |
歴史
創建
創建ははっきりしないが、麻呂子親王が兄の聖徳太子の教えを受けて二上山の西麓の河内国山田に創建したという。現在、科長神社のそばに当麻寺旧地と伝える寺院跡がある。 当麻国見が現在地に移転。天武9年に着工し、天武13年に竣工したという。恵灌を導師として落慶法要を行ったという。当初の本尊は弥勒如来で現存する。当麻氏は麻呂子親王の子孫と伝える。
古代
奈良時代には三論宗を標榜した。天平宝字7年(763)、中将姫が蓮の糸で観無量寿経変相図、いわゆる当麻曼荼羅を織り上げたという。 弘仁14年(824)、空海が参籠したとの伝承もある。
中世
平安時代後期には大和国の他の寺院と同様に興福寺末となる。当麻曼荼羅の伝承が広まり、曼荼羅堂が寺院の中心となった。南北を中心軸とする古代伽藍を残しつつ、西方浄土を拝む形となる曼荼羅堂が中心に境内が再編成。他に類を見ない伽藍配置を形成した。現在も行われている聖衆来迎練供養会式は源信が始めたという。治承4年(1180)の平氏の南都焼討と同時に当麻寺も襲撃され、一部の伽藍を失った。現在の金堂と講堂はこの後の再建時のものである。浄土宗西山派の派祖の証空は当麻曼荼羅を重視し、曼陀羅相承の伝授を始めた。一遍も参詣して賦算したという。応安3年(1370)、知恩院12世誓阿が塔頭往生院を創建。誓阿は知恩院の本尊御影像と『法然上人絵伝』を移したと伝えるが不詳。のち「知恩院の奥之院」を名乗って当麻寺奥院と称した。
近世
300石を領した。
伽藍
- 本堂:曼荼羅堂。当麻曼荼羅を祀る。
- 金堂:弥勒如来を祀る。
- 講堂:阿弥陀如来を祀る。
- 東塔
- 西塔
- 薬師堂
- 大師堂
- 糸繰堂
- 仁王門:東大門
- 娑婆堂
- 当麻山口神社:元は境内にあったか(当麻寺古図)。
- 影向石:一言主大神が出現?
塔頭
- 中之坊:真言宗
- 松室院
- 不動院
- 西南院
- 竹之坊
- 奥院:浄土宗
- 護念院
- 念仏院
- 来迎院
- 紫雲院
- 極楽院
- 千仏院
- 宗胤院