ようこそ『神殿大観』へ。ただいま試験運用中です。 |
祇園精舎
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2016年10月1日 (土)
祇園精舎は、インド中部の舎衛城にあった、釈迦が在世中に拠点とした寺院。サヘートマヘート遺跡が跡地とされる。(参考:同名祇園)
日本の『大安寺縁起』によると、祇園精舎は兜卒天宮を模したものと言われている。唐の長安・西明寺は、祇園精舎を模しており、日本の大安寺は、西明寺を模しているという。
律宗南山派開祖の唐の道宣は『祇園寺図経』を著し、祇園精舎の伽藍配置などを詳しく記述しているが、実証的なものではないと思われる。宮田尚によると、『平家物語』冒頭の「祇園精舎の鐘」の原典は『祇園寺図経』にあるという。『祇園寺図経』によると、「諸行無常」の音を出す鐘は、現代の日本人が想像するような梵鐘ではなく、ガラス製の小型の鐘だったという。死期を迎えた僧が過ごす無常堂の四隅にあり、僧が臨終を迎えると、ひとりでに鳴ったという。(宮田尚「祇園精舎の鐘」『平家余聞』)