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立政寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2017年8月12日 (土)
立政寺(りゅうしょうじ)は、岐阜県岐阜市にある浄土宗寺院。本尊は阿弥陀如来。浄土宗西山禅林寺派。東海地方の布教拠点となり檀林だったらしい。山号は亀甲山。
歴史
開山の智通(1314-1403)は、吾妻・善導寺2世円光の弟子。文和2年(1353)、伊勢神宮参詣に赴く途中の智通がこの地に滞在して領主住民の帰依を得た。翌年、領主が智通に土地などを寄進して寺院を創建。同年、南朝の攻撃を避けて美濃・瑞巌寺に滞在中の後光厳天皇のところに関白二条良基が智通を招いて天下静謐を祈願させた。この縁で、翌年、立政寺の名を与えられ、勅願寺となった。永徳2年(1382)には二条家の祈願所となった。至徳3年(1386)には代々黄衣着用許可、明徳2年(1391)には代々紫衣着用許可を得た。応永8年(1401)、智通に光居菩薩の号が宣下されたという(『日本社寺大観』)。
のち後土御門天皇からも祈願所とされた。永禄11年(1568)、織田信長に奉じられた足利義昭が上洛の前に滞在。徳川家康も関ケ原の戦いに赴く途中に立ち寄ったという。多くの中世文書を所蔵する。智通の墓がある。(日本歴史地名大系ほか)