荘厳浄土寺

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-） 最終更新：2023年4月3日 (月)

2023年4月3日 (月) 時点における最新版

本堂

荘厳浄土寺（しょうごんじょうどじ）は、大阪府大阪市住吉区帝塚山東（摂津国住吉郡）にある、南都仏教・真言宗の寺院。本尊は不動明王。住吉大社の東にある。住吉大社関連旧跡。南朝旧跡。後村上天皇旧跡。新羅寺、津守寺と共に住吉三大寺と呼ばれた。真言律宗西大寺派。山号は朝日山。（参考：同名寺院浄土寺）

歴史

• 創建年代不詳。
• 天慶年間：平将門・藤原純友の乱の時に祈祷し霊験があった（摂陽群談）。
• 1084年(応徳1年)：住吉大社神主の津守国基、勅命により再建。「七宝荘厳極楽浄土云々」と記した金札が出土したため、勅願所と定められ「荘厳浄土寺」の寺号を下賜されたという（摂陽群談）。
• 1096年(永長1年)3月7日：落慶。講師は延暦寺の横川慶朝、読師は西塔宗忠が務めた（中右記ほか）。天台宗だったようだ。
• 1260年(文応1年)：西大寺の末寺となる。真言宗になった。（摂陽群談）
• 1275年(建治1年)8月23日：西大寺叡尊が滞在し192人に授戒（感身学正記）。
• 1361年(正平16年/康安1年)：地震で楼門倒壊
• 1363年(正平18年/貞治2年)8月16日：後村上天皇が行幸して法華八講を営む（新葉和歌集）。後醍醐天皇25回忌に当たる。
• 1366年(正平21年/貞治5年)2月17日：後村上天皇が行幸して法華八講を営む（新葉和歌集）。後嵯峨天皇の忌日に当たる。
• 1375年(天授1年/永和1年)：仁王門再建
• 1606年(慶長11年)：本堂修復。
• 1942年(昭和17年)：後村上天皇の顕彰碑を建立。

伽藍

• 本堂：本尊は不動明王。空海作。弁財天も祀るか。
• 阿弥陀堂：本尊は阿弥陀如来、十一面観音、地蔵菩薩、叡尊、空海。
• 告礒石：津守国基が紀伊国の玉津島に礎石を求めて和歌を捧げたところ、玉津島神が現れて石を住吉礒に寄すべしと託宣があり、寺院を建てることができたという。現存不詳。
• 薄墨社：祭神は津守国基。1907年(明治40年)6月26日、住吉大社境内に遷座し斯主社に合祀[1]。現在は独立した社殿がある。
• 三天堂：不詳
• 地蔵堂：現存か。

画像

		「後村上天皇聖蹟」碑
「後村上天皇聖蹟」碑	本堂	阿弥陀堂
阿弥陀堂。阿弥陀如来、十一面観音、地蔵菩薩、叡尊、空海	津守国基を祀る薄墨社（住吉大社境内に遷座）

資料

• 荘厳浄土寺略縁記：1842年(天保13年)。摂州住吉荘厳浄土寺略縁記。
• 1928『住吉村誌』[2]
• 1943『後村上天皇の聖蹟』[3]
• 2004『荘厳浄土寺境内遺跡発掘調査報告』