南洲神社

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-）最終更新：2024年3月5日 (火)

昭和初期の南洲神社

南洲神社（なんしゅう・じんじゃ）は、鹿児島県鹿児島市上竜尾町にある招魂社・霊社。祭神は西郷隆盛と西南戦争の賊軍殉難者6800柱。南洲墓地に隣接する。無格社。薩摩・浄光明寺跡地にある。賊軍殉難者奉斎招魂社。幕末維新期人物旧跡。南洲祠堂。

歴史

1877年(明治10年)9月24日：城山の陥落で西南戦争は終結。県知事岩村通俊は西郷隆盛軍の戦没者の遺体を浄光明寺墓地39人と薩摩・不断光院墓地76、草牟田19、新照院ノ上7、城ケ谷18に埋葬した。
1879年(明治12年)5月16日：鹿児島県令岩村通俊、墓地に「参拝所」設置を許可。ただし「社堂」に紛らわしい建物の建築は禁止された。神社の創建も構想されたが時勢が許さなかったという。墓地の整備を開始。
6月：趣意書を発表
1880年(明治13年)1月1日：参拝所と事務所を建設。
1881年：三州社を設立
1883年(明治16年)：各戦跡にある遺体を浄光明寺墓地に集めて改葬。
1889年2月11日：憲法発布にともない特赦。西郷隆盛に正三位を追贈。名誉が回復された。
22日：奉告祭。井上千春が斎主を務めた
29日：東京弥生社で追贈奉告祭
1898年12/18：上野公園の銅像、建立
1899年2/22：木像除幕式。木像は上野公園の銅像の原型
4/28：木製の標を石造に建て替え46基
1902/6/15：西郷寅太郎の侯爵授爵の奉告祭
1906/3/4：英国王室のコンノートが表敬。陸軍大将黒木為〓と海軍大将東郷平八郎も随行
6/3：陸軍大将野津道貫らが日露戦争凱旋奉告祭
1907/9/24：30年祭
1910/7/28：拝殿改築発起人総会
9/7：日韓併合奉告祭
1912/6/1：改築着工
1913年(大正2年)：鹿児島市長を発起人委員長とし参拝所改築を発願。宮内省技師木子幸三郎が設計し、京都の三上吉兵衛が施工した。
4/25：落成
10月24日：遷座奉告祭。照国神社禰宜の勝目覚二が斎主。南洲祠堂と称した。
1916/4/11：桐野、篠原、大山、桂、村田に贈位
5/1：贈位奉告祭
1919/4月：隣接地に市立教育参考館
1922年(大正11年)2/8：神社創立を申請
6月28日：内務省が南洲神社の創立を認可。無格社。
1923/6/23：木造鳥居を建立
1923/10/24：神社昇格奉告祭
1926/10/20：崇敬者総代会で薩軍戦没諸士合祀の摂社の建設を決議。しかし不許可となる。
1926/12：50年祭奉賛会趣意書を発表。総裁は東郷平八郎。会長は鹿児島県知事
1927年(昭和2年)3月10日：摂社は不許可となったので「神庫」の名義で建設申請
5/6：鹿児島県、神庫建設を許可。5/11起工。8/31落成。
9月24日：桐野利秋ら戦没者の神霊を、本殿から「神庫」名義の境内社に奉遷。
10/24：50年祭
1933/2/22：満洲国承認奉告祭
1937/5/23：城山山麓に銅像建立。制作は安藤照
1939年5月：東京奠都70年記念に東京市から大常夜燈を奉納
1942/9：岩村通俊記念碑建立
1945年(昭和20年)7月31日：戦災で焼失。手水舎以外焼失。教育参考館裏の壕に奉遷し、照国神社裏手の城山の奉遷壕に仮遷座
9/24：この日までに八坂神社社務所に奉遷。例祭を執行。
12月頃：荒田八幡宮の社殿に遷座
1947/9/24：この日までに鹿児島県護国神社の旧社殿に遷座。70年祭
1950年(昭和25年)9月22日：旧鹿児島県護国神社から、旧神庫跡に建てた仮殿に遷座
1952年10/24：75年祭
1957年(昭和32年)9月23日：本殿再建し遷座祭。旧本殿跡に鉄筋コンクリートの流造。翌日80年祭
1962年：薩軍従軍者招魂碑を建立
1968年：照国神社と合同で明治維新100年祭
1970年(昭和45年)12月：拝殿竣工。
1977/8月：西南の役遺族会設立
1977年9/24：南洲神社100年祭。同年、西郷南洲記念顕彰会を設立
1978年7/1：西郷南洲顕彰館、開館
1982/9/24：西南役戦没者名碑建立
2001/9/16：西南之役戦没者慰霊塔を建立