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安楽寿院
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2023年12月30日 (土)
(ページの作成:「鳥羽天皇陵と近衛天皇陵がある。」) |
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+ | 1137年(保延3年)、鳥羽上皇が鳥羽離宮の東殿に建てた阿弥陀堂が起源。阿弥陀三尊が祀られた。翌年、覚行法親王(史上初の法親王)を導師として開創した。 | ||
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+ | 1139年(保延5年)2月22日、藤原家成の差配で三重塔(本御塔)が落慶。塔内には同じく阿弥陀如来が祀られた。そして法華三昧を行う僧侶を置いた。1145年(久安1年)鳥羽法皇は病気平癒の祈願のため九体阿弥陀を造立。病気は回復し、像を祀る九体阿弥陀堂が1147年(久安3年)8月11日に建立された。鳥羽法皇は1156年(保元1年)7月2日、安楽寿院で崩御し、本御塔に葬られた。 | ||
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+ | 1155年(久寿2年)藤原忠実が鳥羽法皇の菩提を弔うために不動堂を建立。現在の北向不動院。 | ||
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+ | 鳥羽天皇中宮の美福門院は本御塔に並ぶ自らの墓所として1157年(保元2年)12月、多宝塔(新御塔)を建てたが1160年(永暦1年)の死去の際、遺言で高野山に葬られたので、新御塔には代わりに、1163年(長寛1年)11月28日、知足院(近衛天皇火葬塚)から近衛天皇の遺骨が改葬されて納められた。 | ||
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+ | ===中世の衰退=== | ||
+ | 1296年(永仁4年)8月30日、本御塔が焼失。 | ||
+ | 建武年間、本御塔を再建。 | ||
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+ | 1362年(正平17年/貞治1年)6月20日、戦乱で鳥羽一帯が焼き払われた。 | ||
+ | 1548年(天文17年)11月30日、安楽寿院、猛火で焼失。新御塔は無事だったが本御塔は焼失した。 | ||
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+ | ===近世の復興=== | ||
+ | 1585年(天正13年)に[[豊臣秀吉]]が寺領500石を寄進し復興した。 | ||
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+ | 1596年(慶長1年)閏7月12日の伏見大地震で新御塔倒壊。 | ||
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+ | 1606年(慶長11年)5月、豊臣秀頼が現在の新御塔(多宝塔)を再建。 | ||
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+ | 1612年(慶長17年)9月、本御塔跡に仮堂を建立。堂ではあるが「本御塔」と称した。 | ||
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+ | この後、所伝の混乱があり鳥羽天皇陵と近衛天皇陵が幕末まで逆に扱われた。1864年(元治1年)、本御塔跡の仮堂を北に移築し、塔跡に宝形造の堂を建てた。 | ||
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+ | 1959年(昭和34年)、阿弥陀堂を再建。阿弥陀堂の阿弥陀如来像を宝物庫に奉遷し、旧阿弥陀堂を薬師堂にしたらしい。 | ||
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+ | 仮堂は安楽寿院薬師堂となったが、1961年(昭和36年)に第二室戸台風によって倒壊した。 | ||
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+ | ==伽藍== | ||
+ | *本堂(宝物庫): | ||
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+ | *五輪塔: | ||
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+ | *金蔵院:本御塔付属。 | ||
+ | *宝珠院:本御塔付属。 | ||
+ | *福音院:本御塔付属。 | ||
+ | *慈尊院:本御塔付属。 | ||
+ | *明照院:新御塔付属。 | ||
+ | *妙音院:新御塔付属。 | ||
+ | *千手院:新御塔付属。 | ||
+ | *遍照院:新御塔付属。 | ||
+ | *宝光院:新御塔付属。 | ||
+ | *大善院:新御塔付属。 | ||
+ | *清浄寺:律寺。奥坊。 | ||
+ | *不動院: | ||
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+ | ==組織== | ||
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+ | *13亮泰()<>: | ||
+ | (富田学純『新義真言宗史』[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/819446/109]) | ||
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+ | [[category:京都府]] |
2023年12月30日 (土) 時点における最新版
安楽寿院は京都府京都市伏見区竹田中内畑町にある真言宗寺院。本尊は阿弥陀如来。鳥羽離宮の付属寺院で、鳥羽天皇と近衛天皇の菩提寺。鳥羽天皇陵(本御塔)と近衛天皇陵(新御塔)がある。真言宗智山派。
目次 |
歴史
鳥羽離宮の付属寺院として
1137年(保延3年)、鳥羽上皇が鳥羽離宮の東殿に建てた阿弥陀堂が起源。阿弥陀三尊が祀られた。翌年、覚行法親王(史上初の法親王)を導師として開創した。
1139年(保延5年)2月22日、藤原家成の差配で三重塔(本御塔)が落慶。塔内には同じく阿弥陀如来が祀られた。そして法華三昧を行う僧侶を置いた。1145年(久安1年)鳥羽法皇は病気平癒の祈願のため九体阿弥陀を造立。病気は回復し、像を祀る九体阿弥陀堂が1147年(久安3年)8月11日に建立された。鳥羽法皇は1156年(保元1年)7月2日、安楽寿院で崩御し、本御塔に葬られた。
1155年(久寿2年)藤原忠実が鳥羽法皇の菩提を弔うために不動堂を建立。現在の北向不動院。
鳥羽天皇中宮の美福門院は本御塔に並ぶ自らの墓所として1157年(保元2年)12月、多宝塔(新御塔)を建てたが1160年(永暦1年)の死去の際、遺言で高野山に葬られたので、新御塔には代わりに、1163年(長寛1年)11月28日、知足院(近衛天皇火葬塚)から近衛天皇の遺骨が改葬されて納められた。
中世の衰退
1296年(永仁4年)8月30日、本御塔が焼失。 建武年間、本御塔を再建。
1362年(正平17年/貞治1年)6月20日、戦乱で鳥羽一帯が焼き払われた。 1548年(天文17年)11月30日、安楽寿院、猛火で焼失。新御塔は無事だったが本御塔は焼失した。
近世の復興
1585年(天正13年)に豊臣秀吉が寺領500石を寄進し復興した。
1596年(慶長1年)閏7月12日の伏見大地震で新御塔倒壊。
1606年(慶長11年)5月、豊臣秀頼が現在の新御塔(多宝塔)を再建。
1612年(慶長17年)9月、本御塔跡に仮堂を建立。堂ではあるが「本御塔」と称した。
この後、所伝の混乱があり鳥羽天皇陵と近衛天皇陵が幕末まで逆に扱われた。1864年(元治1年)、本御塔跡の仮堂を北に移築し、塔跡に宝形造の堂を建てた。
1959年(昭和34年)、阿弥陀堂を再建。阿弥陀堂の阿弥陀如来像を宝物庫に奉遷し、旧阿弥陀堂を薬師堂にしたらしい。
仮堂は安楽寿院薬師堂となったが、1961年(昭和36年)に第二室戸台風によって倒壊した。
伽藍
子院
- 前松院:本御塔付属。1795年(寛政7年)造営の建物が書院・庫裏として現存。
- 玉蔵院:本御塔付属。
- 金蔵院:本御塔付属。
- 宝珠院:本御塔付属。
- 福音院:本御塔付属。
- 慈尊院:本御塔付属。
- 明照院:新御塔付属。
- 妙音院:新御塔付属。
- 千手院:新御塔付属。
- 遍照院:新御塔付属。
- 宝光院:新御塔付属。
- 大善院:新御塔付属。
- 清浄寺:律寺。奥坊。
- 不動院:
組織
歴代住職
- 1雲専()<>:中興
- 2専覚()<>:
- 3専教()<>:
- 4専戒(1640-1710)<>:智積院10世。
- 5玄敬()<>:
- 6実元()<>:
- 7法船()<>:
- 8法明()<>:
- 9亮賢()<>:
- 10実深()<>:
- 11亮淳()<>:
- 12覚鳳()<>:
- 13亮泰()<>:
(富田学純『新義真言宗史』[1])