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釈迦信仰
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
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- | * | + | *帝釈窟説法:洞窟で瞑想する釈迦のもとに[[帝釈天]]が現れ、説法を聞いた。 |
- | * | + | *獼猴(みこう)奉蜜:猿が蜜を献じる場面。猿は釈迦が受け取ったことで喜び、はしゃぎすぎて穴に落ちて死ぬ。「猿王奉蜜」ともいう。[[大林精舎]]。 |
*酔象調伏:提婆達多が像をぶつけて釈迦を殺害しようとする場面。 | *酔象調伏:提婆達多が像をぶつけて釈迦を殺害しようとする場面。 | ||
*火龍調伏:火龍降伏。調伏外道 | *火龍調伏:火龍降伏。調伏外道 |
2015年11月24日 (火) 時点における版
釈迦信仰 |
目次 |
概要
釈迦信仰は、釈迦如来に対する信仰である。釈迦如来は、仏教の教祖でありながら、日本においては本尊として祀られることはそれほど多くはない。
歴史
信仰
モチーフ
誕生、降魔成道、初転法輪、涅槃の四大事を始め、釈迦の伝記上の重大な出来事が、仏伝図、画像、彫像などのモチーフとなった。 仏伝図では四相図、五相図、八相図など重要な場面を複数まとめて描いたものが知られる。経典に基づいた図のことを変相図というが、仏伝図のことを「本行経変」ともいう。
誕生
- 下天(げてん):釈迦が兜率天から現世に降りる場面。「降兜率」ともいう。白象に乗っていたり、白象そのもので描かれたりする。次の「托胎」と合わせて「下天托胎」(下天託胎)ともいう。
- 托胎(託胎、たくたい):釈迦が摩耶夫人の体の中に右腋から入り込む場面。夫人は夢として見る。「入胎」「托胎霊夢」ともいう。
- 占夢:摩耶夫人の夢の吉凶を占う。
- 降誕:「誕生」「出胎」とも。釈迦が摩耶夫人の体の中に右腋から生まれる場面。
- 灌水:生まれ落ちた赤子の釈迦を、四天王が抱え上げ、金机の上に置き、二匹の龍(あるいは、梵天と帝釈天)が甘露の雨を降らせた。現在、降誕会で釈迦像に水を掛けるのは、この故事に基づく。
- 獅子吼:七歩歩いたあと、右腕を掲げ、「天上天下唯我独尊」(諸説あり)と宣言した場面。いわゆる「誕生仏」はこの場面を象ったもの。上半身は裸形で、下半身は裙をまとっている。上げている腕が左右逆の異形像も稀にある。像の場合、多くが金銅で作られるが、木造もある。また七歩の足跡には蓮の花が咲いたが、これを「七歩蓮華」という。
- 観相:「占相」ともいう。王子の将来を占い、仏になることを予言する。
- 悉達太子:出家前の釈迦の姿を表したもの。
- 修学:7歳で学校に通い始めるとすでに64種の書体を習得しているなどで周囲が驚く。
- 試芸:いとこの提婆達多と力比べをする場面。
- 樹下観耕:木の下にいる釈迦が畑を耕している農民の姿を観ていると、畑から現れた虫が小鳥に食べられ、小鳥が大鳥に食べられたところを目にし、無常を感じた場面。「樹下思惟」ともいう。
- 四門出遊:若い釈迦が東西南北の四つの門から城外に出掛け、老人、病人、死者、修行者に出会い、人生の苦しみを目の当たりにする場面。
- 遊楽:父王が釈迦に出家させないように、結婚させ、贅沢させる場面。「三時殿娯楽」「歓楽」ともいう。
出家・成道
- 出家踰城(しゅっけゆじょう):妻子を捨てて、一頭の馬と一人の御者のみを連れて、城を出て行く場面。「出家」「出城」ともいう。
- 追尋:家臣が追いかけてくる場面。
- 車匿(しゃのく)訣別:馬・御者と別れる場面。「車匿帰還」「車匿童子訣別」ともいう。
- 衣の交換:浄居天の化身の漁師と、自分の高価な衣を交換する。
- 山中剃髪:剃髪する場面。「剃髪」ともいう。
- 山中訪仙:山の中のバッガヴァ仙人(あるいは、ヴァシシュタ仙人)(あるいはアーラーラ・カーラーマ仙人?)を訪ねる場面。「訪仙」ともいう。
- 苦行:山中で苦行する場面。6年間苦行する。やそほそった姿で表される。
- 出山:苦行の無意味を知り、山を出る場面。「出山釈迦像」は禅宗で多く作られた。
- 尼連禅河での沐浴:尼連禅河(ネーランジャラー河)で沐浴して身を清める場面。
- 牧女献乳:スジャータ(ナンダバラー)が釈迦に乳粥を献じる場面。「牧女献縻」ともいう。
- 龍王讃嘆:仏の出現を感じた龍王カーリカが姿を表し、讃嘆する。
- 吉祥献草:菩提樹のもとで瞑想をしようとする釈迦に吉祥草を敷物とするために献じた場面。「吉祥草座」ともいう。
- 降魔(ごうま):菩提樹のもとで瞑想する釈迦に数々の悪魔が邪魔をしに来る場面。右手を下に向けており、この構えを「降魔触地印」などという。「成道」とともに「降魔成道」とまとめる場合もある。
- 成道:悟りを開いた場面。結跏趺坐した画像で描かれることも多い。
初転法輪
- 梵天勧請:悟りを開いた釈迦は、あまりに難解なので、人々に伝えることをためらったが、梵天の呼びかけで布教を決意したとされ、これを「梵天勧請」という。
- 初転法輪:鹿野苑でかつての5人の修行仲間に説法した場面。「五比丘化」「五比丘の教化」などともいう。
- 四天王奉鉢:四天王が釈迦に鉢を献じる場面。「二商人供養」と合わせて「仏鉢供養」ともいう。
- 二商人供養:二人の商人が釈迦の鉢に食べ物を献じる場面。
- 頻王帰仏:マガダ国のビンビサーラ王(頻婆娑羅王)が釈迦に帰依する場面。ビンビサーラ王は竹林精舎を寄進する。
- 帰郷:帰郷して父王と会う。
- 祇園布施:釈迦に祇園精舎が寄進される場面
- 帝釈窟説法:洞窟で瞑想する釈迦のもとに帝釈天が現れ、説法を聞いた。
- 獼猴(みこう)奉蜜:猿が蜜を献じる場面。猿は釈迦が受け取ったことで喜び、はしゃぎすぎて穴に落ちて死ぬ。「猿王奉蜜」ともいう。大林精舎。
- 酔象調伏:提婆達多が像をぶつけて釈迦を殺害しようとする場面。
- 火龍調伏:火龍降伏。調伏外道
- 舎衛城の神変:「舎衛城の奇跡」ともいう。異教徒からの挑戦に対して無数の仏を出現させた「千仏化現」と、釈迦の体の上下から炎と水が出現する「双神変」の二つの奇跡を起こした。
- 忉利天説法:亡き母に説法するため忉(とう)利天(三十三天)に上がる場面。
- 三道宝階降下:天界での3カ月の説法のあと、サンカッサに帰ってくる場面。「従三十三天降下」とも。
- 優填王の造像:釈迦が天界に行っている間、コーシャンビー国のウダヤナ王が釈迦を思慕して姿を象った像を作った場面。最初の仏像とされる。
- 提婆投石:提婆達多が投石して釈迦の邪魔をする場面。
- 霊鷲山の説法:王舎城近郊にある霊鷲山で説法した場面。法華経を説く場面であり、法華経信仰で重視される。
涅槃
- 純陀供饌:「純陀供養」「純陀供餞」ともいう。純陀が釈迦に料理を供するが、それを食べた釈迦が下痢に見舞われる場面。
- 臨終遺戒:「最後説法」「虚空上昇」ともいう。釈迦は空に浮遊して最後の説法を行う。
- 涅槃:釈迦が死去する場面。「入滅」「入涅槃」とも。「涅槃図」には二種類あり、右腋を下にして寝るものと、まっすぐ寝るものとあるという。立体の像は「寝釈迦」と呼ばれる。
- 金棺出現:天界から飛来した摩耶夫人が釈迦の死を嘆くが、釈迦が神通力で棺を開き、黄金の光を発した場面。「再生説法」ともいう。
- 聖棺不動:多くの力持ちが釈迦の棺を持ち上げようとしたが動かなかった。
- 聖棺飛旋:「金棺拘尸城旋回」ともいう。釈迦の棺が浮上し、クシナガラの街の上空を旋回する。
- 迦葉接足:葬儀に遅れてきた弟子の大迦葉が接足作礼(釈迦の足に自分の頭を付けて五体投地する)する場面。大迦葉が拝礼すると棺が燃え上がった。
- 分舎利:「八王分舎利」ともいう。
変化身
- 誕生仏
- 悉達太子
- 出山釈迦像
- 宝冠釈迦如来
- 釈迦三尊
- 十六羅漢図
- 釈迦十六善神像
- 清涼寺釈迦如来
系譜